中国海洋石油総公司(CNOOC)はこのほどイランと、総額160億ドルに上る液化天然ガス事業の協力了解覚書に調印した。
CNOOCはNorth Pars ガス田を開発し、LNGの輸送施設を建設、生産量の半分を中国に輸入する。
North Parsガス田はSouth Parsガス田に次ぐイラン第2のガス田プロジェクト。
同プロジェクトは期間8年で、全体を4つの時期に分けて進められる。
海洋石油はLNGの生産工場建設、輸送、販売を担当し、イラン側は今後25年にわたり海洋石油にLNGを提供する。
一方、中国石油天然ガス(CNPC:PetroChina) も11月28日、イランの国営ガス輸出会社(NIGEC) との間で、South Pars ガス田のLNGを2011年から年間300万トン、25年間にわたり輸入する契約を締結した。価格は原油価格にスライドして決められる。
South Pars海上ガス田はカタールのNorth Field と接しており、現在は1.3 億立方メートルの天然ガスが生産されている。更に、NIOC 50%、フランスのTotal 30%、マレーシアのPetronas 20%の「Pars LNG 計画」、NIOC 100% の「NIOC LNG計画」、NIOC/Shell/Repsol-YPC の「Persian LNG計画」、NIOC/BP/インドRelianceの「Iran LNG計画」などが計画されている。「Pars LNG 計画」は年産800万トンで、Total は2011年スタートを発表している。
イラン政府と中国政府は2004年10月に、石油・天然ガス分野での協力に関する覚書(MOU)を締結している。
「LNGパッケージ取引」の形態をとっており、内容は以下の通り。
① Sinopecは、イラン産LNGを25年間にわたり年間1,000万トン購入する。
② イランはこれの見返りとして、Sinopecに対し、Yadavaran油田開発プロジェクトへの事業参加権を付与する。
同油田の開発完了後25年間にわたり、同油田産出原油のうち15万b/dを優先的に販売する。
③ イランと中国は、Bandar Abbas地域にコンデンセート製油所(精製能力30~35万b/d)を建設することに合意する。
投資規模は15億ドル、建設期間は約3年間。
なお、イラン政府はインドともLNG供給の合意をしている。
2005年1月に両国政府が契約を締結したもので、イランは年間750万トンのLNGを25年間供給する。イラン政府はまた、インドにYadavaran 油田開発の20%の権利を与えた。
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