アラブ首長国連邦のAbu Dhabi Polymers (通称 Borouge)は11月28日、第2エタンクラッカー建設をLinde Engineering に発注したと発表した。世界最大級の年産約150万トンのエチレン設備で、建設費は13億ドル、12月第1週に建設を開始し、2010年完成の予定。
計画ではエチレンのほかに、これも現在のところ世界最大のOlefins Conversion Unit での752千トンのプロピレン、2系列合計800千トンのPP、540千トンのPE、及びユーティリティ設備を建設する。これらは2007年前半に発注される。
Abu Dhabi Polymers はAbu Dhabi National Oil Companyが 60%、デンマークのBorealis が 40%出資のJVだが、BorealisはオーストリアのOMVが35%、Abu Dhabi National Oil 等Abu Dhabi 資本が出資する IPICが65%出資しており、Borealisは実質的にAbu Dhabi National Oil の子会社である。
第2エチレンはRuwais にある第1エチレンに隣接して建設される。
第1エチレンは能力600千トンで、誘導品としてHDPE/LLDPE 600千トン(当初は450千トン)を持っている。
同社では中東、アジア太平洋、アフリカでの製品販売を狙っている。
参考
2006/6/2 「湾岸諸国の石油化学ー3 アラブ首長国連邦(UAE)」
2006/11/10 「OMVとBorealis、オーストリアとドイツで石化増強」
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サウジでは11月19日に、「Celanese、サウジの酢酸メーカーを訴訟」(2006/12/1)の当事者の Saudi International Petrochemical Company (Sipchem) が大規模石化計画着手を発表している。
130万トンのエチレン・プロピレンと、80万トンのHDPE・LDPE・PP・EVAを生産するもので、70億ドルを投じる。2011年完成を目指している。(詳細は未発表)
これは当初、National Industrialization Company (NIC) と Sahara Petrochemical (Sipchemの株主Al-Zamil Group の石化子会社)が共同で事業化を検討していたもので、当初案では、エタンとプロパンのクラッカーでエチレン100万トン、プロピレン 20万トンを生産するものであった。
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