三菱ガス化学は22日、三菱商事とベネズエラの国営石油化学公社Pequivenとのメタノール合弁会社 Metanol de Oriente, METOR S.A.」(「メトール社」)で年産85万トンの第2期プラントを建設すると発表した。
約4億ドルの投資を行い、生産能力を現行の75万トンから160万トンに増強する。2010年第1四半期から商業運転を開始する予定。
現在の世界需要は年間約35百万トンだが、アジア地域、特に中国での需要拡大が見込まれており、今後も世界平均にして年率3%で伸びていくと見込んでいる。
(合弁会社の概要) | |||||||||||
会社名 | Metanol de Oriente, METOR S.A. | ||||||||||
所在地 | Jose, Etado Anzoategui, Venezuela | ||||||||||
出資比率 |
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生産能力 | 第1期:日産 2,200トン(年産 750,000トン) 第2期:日産 2,500トン(年産 850,000トン) | ||||||||||
生産技術 | 三菱(MGC/MHI)メタノールプロセス * MGCと三菱重工業が共同保有するプロセス技術 |
日本のメタノール業界は1970年代には共同生産会社の東日本メタノール(住友化学中心)と西日本メタノール(三井東圧中心)のほか、三菱ガス化学、三井東圧、協和ガス化学の5社体制であったが、石油ショックで競争力を失い、1983年には両センターが操業を停止、他社も相次ぎ停止した。
1995年7月に三菱ガス化学が最後のプラント・新潟工場を操業停止し、設備は中国の内蒙古・伊克昭盟化工集団総公司に売却した。
その後、三菱ガス化学は海外進出を狙い、ベネズエラでは競争力ある天然ガスをベースとして1994年からメタノール生産を行なった。
また、サウジでは1979年11月にSABICと合弁契約を締結し、80年2月にAR-RAZI (Saudi Methanol)を設立した。
2006/3/31 「サウジ・メタノール計画」
その後、同社は中国重慶とブルネイへの進出を決めている。
同社の現状及び計画は以下の通り。(単位:千トン)
場所 | 現能力 | 計画能力 | 出資比率 |
中国重慶 | 850 | MGC 51%/重慶化医49% | |
ベネズエラ | 750 | 850 | 上記 |
ブルネイ | 850 | MGC 50%/伊藤忠 25%/Petroleum BURUNEI 25% | |
サウジ | 3,300 | 1,700 | 日本・サウジアラビアメタノール㈱ 50% (MGC 47%/海外経済協力基金 30.0%ほか) SABIC 50% |
合計 | 4,050 | 4,250 | 総計 8,300千トン |
これに対し、最大手のカナダ Methanex の能力は875万トンとなっており、三菱ガス化学の計画の完成時(2008年から2010年)にはこれにほぼ並ぶこととなる。
(2006/12/22日経記事ではメタネックス能力 700万トンとなっているが、これはJVを除いた数字)
Methanexの能力は以下の通り。(単位:千トン)
国 | 工場 | 能力 | 備考 |
Canada | Kitimat | 0 | 2005/11停止 |
Trinidad | Point Lisas | 850 | |
Atlas Methanol | 1,700 | BP 36.9%/Methanex 63.1% | |
Chile | Cabo Negro | 3,800 | 4 plants |
New Zealand | Motunui and Waitara Valley | 2,400 | 2 plants |
合計 | 8,750 |
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