インドの Reliance Industries

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インドの新興財閥でインド最大の私企業 Ambani 財閥のReliance Industries が GE プラスチックの買収を狙っているとインド紙が報道している。

同社はグローバルに石油化学、合成樹脂事業を拡大する機会を狙っており、2005年8月には、失敗はしたが、BPの石化子会社 Innovene 買収(80億ドル)のためのDue diligence を実施している。(Innoveneは最後に Ineos が買収した)

2004年には同社は欧州のポリエステル繊維メーカーのTrevira を買収し、ポリエステル繊維トップメーカーとなった。

GEプラスチックについては、最終意思決定のための情報を収集中だが、買収は戦略的には十分意味があり、プラスチック業界で急成長するのには、こんな機会はめったにないとしている。同社の樹脂事業はほとんどが汎用品で、スーパーエンプラは開発を開始した段階。

 

一方で同社はダウとの提携強化を希望しており、GEプラスチック買収は、これがうまくいかない場合の代替案であるとも言われている。

Jamnagar 同社はインド北西部のJamanagar経済特区に新しく年産27百万トンの製油所を建設中で、川下の石化事業実施のために、ダウ、シェル、エクソンモビル、三菱化学等に声をかけたが、ダウが10億ドルを投じて参加する覚書を締結した。
Relianceは新製油所で年産100万トンのPPプラントを建設するが、ダウからの技術供与が決定している。

現在交渉中だが、ダウが正式に参加する場合には、ダウは見返りにRelianceに対して米国の石化事業への参加を認める可能性がある。

 

Reliance Group の事業は多岐にわたり、ガスパイプライン、石油精製、化学繊維、アパレル等の上流から下底までの石油化学事業、通信、電力等インフラ事業を行っている。

中心は石化事業のReliance Industries で、パラキシレンでは世界3位、高純度テレフタル酸では、世界4位となっている。
インドの拠点は4箇所。

Jamnagar に新設する製油所の隣には年産27百万トンの製油所があり、石化原料のナフサ、芳香族とPPを生産している。
PPは当初の3系列77万トンに、2006年第4系列28万トンが加わった。
同じく27百万トンの新製油所では上述の通り、100万トンのPPを新設する。

HaziraではJamnagar から送られるナフサを原料に石化コンプレックスがある。エチレン能力75万トン(100万トンに増設中)と、PE(16万+20万トン)、PP(36万)、VCM・PVC(16万)、PTA(35万x2)、その他を生産している。

PatalgangaではPTA、ポリエステル繊維、LAB等を生産し、Naroda インドで最も近代的な繊維のコンプレックスである。

 

2002年5月、同社はインド政府から国営石油化学会社Indian Petrochemicals Corp. Ltd. (IPCL)の株の26%を買収し、同社の経営権を取得した。現在IPCLの取締役10人のうち、5人はReliance指名で、RelianceのMukesh Ambani 会長がIPCLの会長を兼務している。

IPCLは3箇所にコンプレックスを持っている。エチレン能力はVadodara が13万トン、Nagothaneが40万トン、GandharDahej)30万トンである。TPA能力は100万トンを超えている。
2006/6/5 「インドのエチレン計画」 参照

それにしても、日本にはGEプラスチックスを買収しようという元気のある会社はいないのであろうか。

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