2006年末、BBCA Biochemical が安徽省宿州市(Suzhou, Anhui )でバイオベースのMEGプラントの建設を開始した。
170百万ドルを投じて年産18万トンのMEGプラントを建設するもので、トウモロコシやタピオカからバイオルートでメタノールをつくり、メタノールからエチレン、更にMEGを生産する。年間60万トンのトウモロコシを使用する。建設期間は1年半。
同社はバイオエチレン、EO生産の実績を持っている。
中国ではこの数年PETの生産が拡大し、MEGの輸入が増大している。(2004年輸入量 339万トン、2005年 400万トンで、2006年 410万トン)
なお、原料トウモロコシの供給元である政府系の食料関係コングロマリットの中国糧油食品集団(COFCO: China National Cereals, Oils & Foodstuff Corp )がBBCAグループからBBCA Biochemical の20.74%の買収を決め、政府の認可待ちとなっている。
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BBCA Biochemical は、安徽省に本拠を置くバイオ企業BBCAグループに属している。
BBCAグループは大規模のバイオケミストリーのメーカーで、従業員は19,200人、2005年売上高は約1,000億円。
エネルギー、化学品、医薬品等、6つの子会社と1つの合弁会社から成り立っている。
1) BBCA Biochemical
BBCAグループの中核で、先進的なバイオ醗酵技術と分離技術を使って、農産物からバイオエネルギー、化学品を生産している。
製品には①クエン酸、L-乳酸、グルタミン酸ナトリウム、スターチ糖などの食品添加物、②リジン、コーングルテン等の飼料添加物、③燃料用エタノール、バイオディーゼル等のバイオエネルギー、④バイオエチレン、EO、生分解性ポリマー、同繊維等のバイオ化学品がある。
バイオエタノールは能力44万トンで、安徽省、山東省、江蘇省、河北省に供給している。
なお同社は2006年に、ブラジルでサトウキビ農園を買収してサトウキビ原料のエタノールを生産する構想を打ち出している。
2) BBCA Pharmaceutical
GMP適合の38のラインで漢方薬も含め360種の医薬品を製造している。
3) BBCA Food
ビスケット、菓子、繊維含有食品、天然植物性たんぱく質、朝食シリアル("cereal breakfast")、ジェリー、レモネード等。
4) BBCA (Suzhou) Biochemical
トウモロコシ等を原料にエチレン、EO、EGを生産(能力2万トン)
5) BBCA Edible Oil
トウモロコシ胚芽、ナタネ、ピーナツ、大豆などからの良質の食用オイルの生産。
6) BBCA Gelatin Company
医療用ゼラチン、食用ゼラチン、写真用ゼラチンの生産。
7) Jiangsu Jiangshan Pharmaceutical Co., Ltd
1990年設立のビタミンCのメーカーで、Jiangsu Worldbest Pharmaceutical Co. 等との合弁会社。
BBCAは2005年に同社の株主のResistor Technology Limited を買収して参加した。
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