2006年12月30日に広西壮族(チワン族)自治区欽洲市で「PetroChina広西石油化学」の10百万トンの製油所の鍬入れ式が行われた。投資額は約20億ドルで、2010年完成を目指す。製品にはガソリン、ディーゼル、LPG、PP等を含むが、それぞれの能力は明らかにされていない。
中国南西部の四川省, 雲南省, 貴州省, 重慶市、広西壮族自治区では市場が拡大しており、石油製品の不足が生じている。.
本事業はPetroChinaとSinopecの初の共同事業で、PetroChinaが70%、Sinopecが30%の出資比率となっている。
当初、両社がそれぞれ別個に広西壮族自治区での製油所建設を計画したが、中国政府が過剰能力、過剰投資を懸念して介入した。
この製油所が処理する原油がPetroChinaの親会社の中国石油天然ガス集団公司(CNPC)のスーダン原油であるため、PetroChinaが70%のシェアを獲得した。
(Sinopecの場合は国際市場からの購入となり、市場価格の変動にさらされる。)
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中国の石油関連の海外進出は盛んである。(2006/5/30 「中国の石油関連 海外進出」)
スーダンは、1970年代から80年代にかけ、Agip(現Eni)、Chevron、Totalなどの欧米石油企業が進出したが、1984年に南北内戦が勃発、鉱区周辺でゲリラによる攻撃が行われ死傷者が出たため、Totalは1985年以降、探鉱活動を休止、Chevronは1992年に同国から撤退した。
欧米企業に代わって進出したのが、CNPC(中国)、Petronas(マレーシア)、ONGC(インド)などアジアの国営石油会社で、製油所や原油パイプラインの建設も手がけており、3社がスーダンの石油産業を支えている。
スーダン原油の最大の輸入者はCNPCで、2005年にはスーダンの原油生産量の4割に相当する約13万バレル/日(中国の原油輸入全体の5.2%)を輸入している。
(資料 http://oilresearch.jogmec.go.jp/information/pdf/2006/0611_out_g_sd_asia_nocs.pdf )
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中国では1998年半ばまではCNPCは石油探査と生産を独占し、シノペックは独占的な精油業者であった。
1998年7月に大規模な資産交換がおこなわれ、両社それぞれが「上流」から「下流」までの事業を受けもつように再編成された。当初はシノペックには東部と南部が、CNPCには北部と西部があてられたが、その後、両社は激しい争いをしている。
本件は初の共同事業となる。
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