GEがGEプラスチックスを売却か?

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GEがGEプラスチックスを売却するという噂が飛び交っている。9日付けのWallStreet Journal は同社が競売方式で投資ファンドに売却し、売却金額は100億ドルに達する見通しと報じた。

買い手候補としてはGE Silicones を昨年買収したApollo Management が筆頭にあがっている。同社は昨年初めに、多角化企業のTyco International からプラスチック・接着剤部門を975百万ドルで買収している。
(同部門はゴミ袋、ストレッチフィルム、シート、ダクトテープの米国のトップメーカー)

このほかRhodia のフェノールその他事業を買収したり、イスラエルDor Chemicalsに出資しているBain Capital、セラニーズを買収した Blackstone Group、1980年代にLBOの手法を確立し、1988年にRJRナビスコを買収したKohlberg Kravis Robertsも名前が挙がっている。名前の挙がっているBlackstoneApollo、Bainの3社は、Goldman Sachsとともに一大買収ファンドコンソーシアムを作り、Basell買収合戦に参加したこともある。

投資ファンド以外ではBASFとダウも噂として挙がっており、またSABICも売りに出るなら買いたいとしていると伝えられている。

GEプラスチックスは儲かってはいるが、原料価格高騰で2006年第3四半期には利益は23%落ち込んでおり、CEOのJeffrey Immelt は不安定な事業を売却し、今後成長を期待できる事業に集中しようとしていることから、十分可能性があると見られている。

GEは20069月にシリコーン事業のGE Advanced Materials Apollo Management, L.P.38億ドルで売却すると発表した。

他方、
2003年10月、GEはゲノム解析装置などを手がける英医療・薬品大手アマシャム(Amersham plc)の全株式を取得して買収すると発表した。2004年4月、買収を完了、GE Healthcareとなった。
GE Healthcare医療用画像診断装置、サービス、ヘルスケアITビジネスを展開するGE Healthcare Technologies(従来のGEメディカルシステム)と、旧アマシャムのビジネスを受け継ぐGE Healthcare Bio-Sciencesの2つの事業部門からなるヘルスケア企業となった。
(これに伴い、日本法人のアマシャムバイオサイエンスはGEヘルスケアバイオサイエンスと改称、それまで住友化学とアマシャムのJVであった
日本メジフィジックスは住友化学とGE Healthcare のJVとなった。)

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GEプラスチックスは、ジェフ・イメルト現会長やジャック・ウェルチ前会長の出身事業部。1953年にポリカーボネート樹脂を開発して以来、エンプラのトップメーカの地位を維続するとともに、現地化を積極的に推進している。日本では日本GEプラスチック(GE 51%、三井化学 41%、長瀬産業 8%)が変性PPO、ポリカーボネートなどを製造、販売している。

GEプラスチックスの製品には変性PPEPC、PBT、PEI (polyetherimideABSやそれぞれのアロイ、及びLNP コンパウンドがある。
PCでは米国、オランダ、スペインと千葉(日本GEプラスチック)に工場を持っている。

LNPコンパウンドはPP等の汎用樹脂からPEI, PEEK等の高機能樹脂まで30種類以上の熱可塑性樹脂と様々なフィラーの組み合わせにより、今までに得ることのできなかった樹脂の性能と可能性を引き出すもので、川崎製鉄の100%子会社であったが、2002年に、NKKとの事業統合を控え鉄鋼事業と密接な関連を持つ石炭化学事業へ特化する方針を固めた川崎製鉄が、世界規模でエンプラ事業の拡大を目指すGEに売却した。
(LNPは当初は米国企業で、ICIが買収、その後川崎製鉄がICIから買収した。)

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GE plasticsが売却されるかもしれない? 売り先が決まらないうちにオ-クションに出されているという話は、よくありますね。いったいどうなることか。GEのエンプラもついにここまできたか、という感じです。エンプラは、付加価値のないビジネスになってしまったのでしょうか。それともGEの求めている目標があまりにも高いのか。GEのコアは、なんでしょう。ヘッドコ-チ-あさって谷川真理ハ-フマラソン参加。

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