ニュースのその後 日本のバイオガソリンの動き

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2007/1/8 「日本のバイオガソリンの動き」で環境省補助事業の廃木材からエタノールを製造する世界で初めての商業プラント竣工と、石油連盟の「バイオマス燃料供給有限責任事業組合」設立について述べた。

112日のNHK ニュースは、バイオエタノールの国内初の商業用プラント完成を報じたが、「車の燃料にする際のガソリンとの混ぜ方をめぐって環境省と石油業界が対立しており、操業開始を来週に控えた今も流通ルートを確保できない異例の事態となっている」とし、以下のように伝えた。

環境省などはエタノールをそのままガソリンに混ぜる直接混合方式を採っているが、石油業界はエタノールと石油ガスを化学的に合成してからガソリンと混ぜる方式で計画を進めており、対立が続き、プラントは16日に操業を始めるが、石油業界は、エタノールと混ぜるガソリンの供給や混合燃料の販売に協力しない意向を示し、流通ルートはいまだに確保されていない。

石油連盟は「直接混合はガソリンの品質を悪化させるおそれがあり、現段階での導入には反対だ」とし、環境省は、「直接混合はアメリカなどで広く実用化されている技術で、二酸化炭素の削減目標を達成するためにも引き続き協力を求めたい」としている。

NHKは16日夜7時のニュースでも「バイオエタノール 問題抱えスタート」として詳しく伝えている。

若林環境大臣は「日本が世界に誇れる画期的な技術で、品質にもまったく問題はない。石油業界には引き続き協力を求めていきたい」と話している。

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石油連盟の渡文明会長は新年賀詞交歓会で、今年注力するテーマの一つとして、バイオガソリンに向けた本格的な取り組みをあげたが、「最近、安心、安全を無視した単純拡大、あるいは直接混入といった安易な動きが出てきている」と述べ、その先行きに懸念を示した。

石油連盟は、26日に設立するバイオマス燃料供給有限責任事業組合バイオガソリン原料としてETBEを輸入することを明らかにした。

2010ー11年のETBE混合レギュラーガソリンの本格販売に備え、まず、フランスからETBEを7500KLを輸入し、新日本石油の根岸製油所でガソリンと混合し、4月末までに首都圏の50の給油所で販売する。ETBE混合ガソリンはレギュラーガソリンと同じ価格にするとしている。

石油連盟ではETBEの供給体制が整うまでの間は欧州からETBEを輸入することを考えている。

付記 2007/4/5

安井至先生は「市民のための環境学ガイド」で「4月5日:バイオ燃料 市販へ」 でこれについて触れている。
http://mntrav.cocolog-nifty.com/kankyo/2007/04/index.html

C先生:この話、業界の我が侭である。
 ETBEの毒性は、以前、わが国でも似た化合物であるMTBEを使っていた。しかし、漏れて地下水に混じり、地下水が飲料不可になるといった環境問題が米国で起きて、日本でもMTBEの使用を止めた。
ETBEの毒性は、場合によっては、MTBEよりも高いという。
 そもそも、毒性のある物質をガソリンのように大量に使用すること自体に賛成できない。長期的に見れば、石油業界に対するリスクは極めて高いと言えるだろう。短期的に利益を確保するためには、ETBEを使うことが必要だが、後日、石油業界も後悔することだろう(もっともエタノールにだって毒性はあるが)。
 エタノールを混ぜても、ある一定量以下ならば、通常の自動車にも悪影響が出ないことは、すでに米国・ブラジルなどで証明済みである。
 渡文明石油連盟会長が「賛同できない」理由は何か。

付記 2007/4/7

フランスからのエチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(ETBE)約7800KLが6日、新日本石油精製の根岸製油所で荷揚げされた。
ガソリンにETBEを7%(エタノール分として3%)混入し、石油連盟に加盟する石油元売り各社が4月27日から首都圏50カ所のサービスステーションで試験販売する。
2008年度に100カ所、09年度に1,000カ所。10年度には全国約46,000カ所にある全サービスステーションで供給される。
この時点でのETBE混合ガソリンの利用量は年84万キロリットル。バイオエタノールでは36万キロリットル、原油換算では21万キロリットルに相当する。

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環境省は平成19年度の環境省の重点施策として「バイオエタノール導入加速化戦略」を挙げ、今回完成したプラントのバイオエタノールを大都市圏でのE3大規模供給実証のために供給する予定としているが、こんな基本的なことを調整していなかったのであろうか。

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エタノール混合燃料は、混合割合によって低温始動性への影響度、空燃比や出力などが変化するため、安定した動力性能や燃費、排出ガスレベルを維持することが課題であるようだ。

韓国では20067月からバイオディーゼル使用がスタートしたが、試験事業では20%混合であったが各精油会社が品質問題を取り上げた結果、軽油に0.5%を混ぜたものとなった

但し、自動車各社は技術的対応を進めている。

トヨタ自動車(2006/6/13発表 「環境対応技術の開発とエコカーの市場導入を強化」)
     
  エネルギー多様化への対応  
  バイオエタノール燃料対応車の導入
  全てのガソリンエンジンにおいて、バイオエタノール混合率10%燃料に対する使用時の耐久性確保など、技術的対応を完了
  バイオエタノール燃料が普及しているブラジル市場に、エタノール100%燃料にも対応するFFVを、2007年春を目処に導入
     
日産自動車(2006/12/11発表 「ニッサン・グリーンプログラム 2010」)
     
  バイオエタノール燃料対応車をグローバルに投入
  - グローバルに全てのガソリンエンジンで、バイオエタノール混合率10%燃料(E10)に対応済
  - 北米で2005年から発売しているタイタンFFV(バイオエタノール混合率85%対応車)に加え、2007年よりアルマーダFFVを投入
  - ブラジル市場へバイオエタノール混合率100%燃料(E100)対応車を3年以内に投入
     
ホンダ(2006/9/25発表 「ブラジル向けフレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)を開発」 )
     
  エタノール燃料でもガソリンとエタノールの混合燃料でも走行可能な「フレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)」を開発した。
     

なお、ホンダは2006年9月14日に、地球環境産業技術研究機構(RITE)と本田技術研究所による、セルロース系バイオマスからのエタノール製造新技術に関する共同研究の成果を発表している。

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付記 2007/1/25

石油連盟は24日、大阪や北海道で生産する国産バイオエタノールを購入する方針を明らかにした。石連はバイオエタノールを石油製品と合成した「ETBE」を4月末からガソリンに混合して販売する予定で、その原料に国産エタノールを使う。
(北海道では地元の農業協同組合がテンサイなどを原料にしたバイオエタノールの工場を建設、08年度中の稼動を目指している。)

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