ニュースのその後、米国住宅着工件数

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2006/11/18 「米国住宅着工件数、続落」参照。Ushouse2006

2006年の住宅着工件数は1,801千戸で、前年比13%減となった。1月は前年を上回り、1-6月は平均2,000千戸であったが、下期は急降下して平均1,639戸と2003年もはるかに下回った。

前回にも述べたが、住宅の動向はPVCの需要に影響する。

米国では住宅関連がPVCの需要の60-70%を占めるといわれる。
第4四半期にはいり、米国のPVC需要は減少しており、業界では操業度が第3四半期の94%から76%程度に下がったと見ている。

塩ビメーカーで建材大手でもあるCertainTeed は本年2月に4つある塩ビサイディング工場のうち、カンサス州の工場を閉鎖するが、Georgia Gulf が一部のPVCプラントを一時的に停止したとの報道もされた。

信越化学の金川千尋社長は日本経済新聞(2006/11/29)インタビューで以下の通り述べている。

「主戦場である米国の経営環境は悪い。8月までは良かったが、9月以降、需給が悪化している。米住宅着工戸数は年初に200万戸を超えていたが、10月は148万戸まで減った。かなりひどい落ち込みだ。中国勢の増産のあおりで、アジアの需給も良くない」

「米国の需給が回復しなければ、米子会社は輸出で補う。中南米、インド、中東に加え、11月からトルコにも出荷を始めた。
来年(2007年)末には米国で増産設備を稼働させる。売り切るには相当な努力が必要だが、米子会社は最高益となる今期並みの業績を来期も確保したい」

シンテックの新工場はルイジアナ州イバビル郡プラクミンの南の元アッシュランドケミカルの工場敷地に建設しているもので、塩素45万トン、ソーダ50万トン、VCM75万トン、PVC60万トンの一貫生産を行う。二期に分けて建設し、第一期は塩素30万トン、ソーダ33万トン、VCM50万トン、PVC30万トンを建設する。当初は2006年末完成を目標としていた。
住宅建設が今後も停滞すれば、苦しいスタートとなる。

これまで米国の内需減少時には、メーカーは輸出に走り、アジアの市況を下落させた。(逆に内需増加時は輸出をやめるため、アジア市況は高騰した。)
最近は中国需要増大がこれを吸収し、原油価格アップもあって、アジア市況は堅調だった。

しかし今回は、中国の増設で中国は逆に輸出を伸ばしている状況であり(かつ、原油価格下落で値下げ要請が高まっており)、米国の輸出増は確実にアジア市況に影響を与える。

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