GE Plasticsは中国のPetroChina とワールドスケールのポリカーボネートの製造JVの設立交渉を行っていたが、この計画を延期することを決めた。
中国の需要は依然として強いが、他社の増設で利益率が下がり、現時点では投資を正当化できないとしている。
但し、設計は行っており、今後再開する可能性はあるし、コンパウンドその他では中国市場に引き続き投資をする。
GE Plastics とPetroChinaは昨年6月、中国でのJV設立を発表した。
Phosgene-free の Melt technology でワールドスケールの工場を建設し、中国市場で販売する。原料はPetroChina が供給するといいうもの。
GE Plastics はPCでは日本(45千トン)、米国(2工場計 510千トン)、オランダ(170千トン)、スペイン(260千トン)と合計100万トンの能力を持ち、Bayer(上海の100千トン完成で120万トン)と世界トップを争っている。
しかし、GE Plastics は中国ではコンパウンドは上海など 4箇所に拠点を持つが、レジンでは乗り遅れている。
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Bayerは上海のケミカルパークに2006年9月に第一期 100千トンが完成、2008年末までに倍増する。
帝人化成は浙江省嘉興市に100%子会社・帝人化成(中国)を設立し、50千トンのプラントをもち、2006年末に第2系列 50千トンの商業生産を開始した。2006年12月、第3系列 60千トンの増設発表(完成後合計16万トン)
三菱化学は黒崎の増設とともに、中国でのPC計画についてSINOPECと共同FSを行うことを発表した。
日本側投資会社とSINOPECがJVを設立し、北京の燕山石化敷地内にPC 60千トン、ビスフェノールA 100千トンを建設する。
2006/4/14 「ポリカーボネートと原料ビスフェノールA」(一部補足)
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GE Plastics は2003年にBayerの上海計画への参加を交渉中であると伝えられた。Bayerのパートナーの上海クロルアルカリが明かしたもので、PCの世界のライバルが中国での競合を回避し、GEはコンパウンド用のレジンを確保するというものであった。
しかし、最終的にこの話はまとまっていない。
昨年6月、ようやく進出を発表したが、今回これが中断されることとなった。
帝人化成は今回の増設発表に当たり、以下の通り述べている。
・ PC樹脂の世界需要は年率7%程度の成長が継続する見通しで、特に成長の中心であるアジアでは10%、中国については14%に及ぶ高成長が見込まれてる。
・中国における需要拡大を牽引するのは、電気・電子やOA機器向けのコンパウンド品であり、今後は自動車向けの大きな需要も期待される。
今回のGE Plastics の中断決定は、「中国バブル」の破裂を見越した英断であろうか。
それとも、GEによるGE Plastics の売却 の話が影響しているのであろうか。
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