ダウの会長兼CEOのAndrew N. Liveris は1月25日、第4四半期決算の報告の中で、同社の2006年の活動実績と今後の方針を説明したが、基礎部門の中のポリスチレンとポリプロピレンについて分社化して他社とのJVにすることを検討していると報告した。
報告の全文は http://www.dow.com/financial/reports/06q4sum.htm
ダウは昨年3月に、基礎部門の強化をJV化を通して行う方針を明らかにした。他社と新しいJVをつくるだけでなく、場合によっては既存の設備を出してJVにすることも行うとした。
Kuwait Petroleum Corporation と50/50JVのMEGlobalを設立してダウの設備を出したのが例である。
2006/5/31 「湾岸諸国の石油化学ー1」 参照
タイでのサイアム・セメントとのJVもこの一環である。
2006/10/24 「ダウ、アジア進出を促進」 参照
ダウはこの戦略を “asset light” strategy (又は “equity light” )と呼んでいる。
* asset lightとは「資産を持たない、減らす」という意味で、最近、かなり使われてきている。
例 「モトローラは生産の外部委託を増加、自社による生産設備負担を軽減する”Asset Light"モデルへの転換を進めている」
Liveris会長はメリットとして以下の点を挙げている。(昨年の株主総会)
・ 低コスト原料へのアクセス
・ パートナーのローカルな力の利用
・ 設備投資減
・ リスク低減
今回、同会長は以下のように述べている。
ダウでは昨年12月に基礎部門をどうするか詳細な検討を行ったが、その結果として、間もなく素晴らしい“asset light” strategyが発表できよう。
先ず、ポリスチレンについては新モデルを進めることを既に決めており、ポリプロピレンについても同じことを考える。
目的はこれら事業の競争力強化であり、そのために必要な力を持つパートナー、例えば原料に強みを持つとか、グローバルに活動するなどのパートナーと組んでいく。
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ポリスチレンに関しては、ダウは昨年、カナダのSarnia 工場のPSを閉鎖した。PS業界の長期的な市場状況も閉鎖の理由の一つである。
2006/9/7 「ダウ、3工場の7プラント閉鎖」
また、本年に入り、原料の安定供給に問題あるとして豪州のAltona工場(35千トン)を停止した。顧客にはアジアから供給するとしている。
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