Lyondell とシノペック鎮海煉油化工、寧波で PO/SM 生産

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Lyondellは20日、シノペック鎮海煉油化工(ZRCC)が浙江省寧波市の鎮海地区でのワールドスケールのPO/SM計画の最終承認を得たと発表した。

2006/12/6 中国でエチレン増設相次ぎ完成、新規着工も」 で記載の通り、ZRCCは昨年12月に浙江省寧波市の鎮海地区で100万トンのエチレンクラッカーの起工式を行った。

エチレン 1,000千トン
HDPE/LLDPE  450 千トン
PP  300 千トン
MEG  650 千トン
BTX  500 千トン
Butadiene  150 千トン
SM (jv)  600 千トン
PO (jv)  280 千トン
PG (jv)  100 千トン

このうち、SM/PO及びPGについては、既にLyondell と50/50JVを設立しており、政府の認可待ちとなっていた。

今回発表では能力はPOが年産274 トン、SMが同 602 千トンとなっている。
Lyondell の技術を使用、POは両社が共同で販売するとしている。2009年に完工の予定。

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Lyondell について:

1966年に Halcon International and ARCO Chemical のJVとして Oxirane Chemical Company が設立され、Halcon法によりPO/SM(後にPO/TBAも)の生産を始めたが、これがLyondellの元である。住友化学とLyondellの合弁会社の日本オキシランも最初はOxirane (及びARCO)とのJVであったので、この名前を持つ。 

1985年にARCOの子会社としてLyondell 設立され、1989年に独立した。
ARCOは2000年にBPに買収されたが、これに先立ち、1998年に
Lyondell ARCO Chemical Company を買収している。

1997年にはMillennium Chemicals とのJVでオレフィンおよぴポリオレフィンメーカーEquistar Chemicalsを設立した。
当初はLyondell
が41%出資で、MillenniumとOccidental が各29.5%出資であったが、2001年にOccidentalは持株をLyondellに売却し、その代金でLyondell株を購入している。

2004年12月、Lyondell とMilleniumが合併した。合併後の姿はMilleniumとEquistarがLyondell の子会社の形をとっている。

合併時の各社の能力は以下の通り。(千トン/年)

Lyondell Equistar Millenium
PO  2.050 Ethylene  5,270 TiO2
 Chloride
 Sulfate

  515
  155
SM  2,270 Propylene  2,270 VAM   385
MTBE   * Butadiene   545 Acetic Acid   545
PG & PGE   570 EG   455    
TDI   260 EO   500    
Butanediol   180 HDPE  1,450    
    LDPE   640    
    LLDPE   500    

 * MTBE58,500bbl/

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Lyondellは世界のPO技術リーダーで、拠点は次の通り。

地区 場所 能力
(千トン)
併産 備考
米国 Bayport, Tex   545 TBA  
Channelview, Tex   530 SM  
欧州 Fos-Sur-Mer, France   220 MTBE  
Botlek, the Netherlands   250 TBA  
Maasvlakte, the Netherlands   285 SM Lyondell/Bayer 50/50 *
アジア 日本オキシラン(千葉)   181 SM 住化 60%/Lyondell 40%
住友化学(千葉)   200 単産法 日本オキシランに移管予定

* 199911月、Lyondell Chemical はBayerに世界のポリオール事業と米国のLyondell PO事業の36%持分を譲渡した。
 この取引の一環としてオランダでの共同事業(
PO-11と呼ばれる)で合意した。

他の併産法メーカーは次の通り。

    場所 能力
(千トン)
併産  
Huntsman Port Neches, Tex   240 MTBE 1997年Texacoから買収
Koch への売却対象
欧州 ELLBA CV Moerdijkthe Netherlands   250 SM Shell/BASF 50/50
アジア SKC Chemical 蔚山   160 SM 当初 ARCO/油公JV、
1992年ARCO撤退
Seraya Chemicals Singapore   220 SM Shell 100%*
ELLBA Eastern  Singapore   250 SM Shell/BASF 50/50

他にDowが米国Gulf Coast でPO/SMを計画したが、取り止めとなった。
同社は塩素法プラントを持っている。

* Seraya Chemicals Singaporeには当初三菱化学が30%出資
  シェルに持分とPOの引取権を売却するとともに、
   2期分を合わせたSM 38万トン分の建設費相当額を預託し、引取権を確保したが、その後、引取権を放棄。

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POの製法については下記参照。

 2006/3/24 「ダウとBASF、POを新製法で生産」 
 
2006/11/28 「韓国の錦湖石油化学、南京でPO生産」 

今回の発表のなかで、Lyondell は世界のPOの需要を約650万トンとみている。

 



 

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