旭硝子決算

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旭硝子は2月5日、決算を発表した。

売上高、営業損益、経常損益は連結、単独ともに前年を上回ったが、特別損益として1000億円の赤字を計上し、連結当期損益は25%の減益、単独では赤字となった。

配当は前年の年15円から16円に増配した。

対比表      単位:百万円(配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益 配当
連結 単独 連結  単独  連結 単独  連結  単独  中間 期末

04/12

1,475,726

579,875

139,403

37,152

135,688

41,257

78,287

33,268

6.00

6.00

05/12

1,526,660

576,229

118,194

46,554

118,884

62,504

60,014

43,008

7.50

7.50

06/12

1,620,540

637,050

136,611

61,247

134,498

73,607

44,997

-31,807

8.00

8.00

07/12

1,670,000

630,000

180,000

68,000

170,000

74,000

90,000

48,000

8.00

8.00

Asahiglasstoki   
    * 2003年12月は9ヶ月決算

営業損益については、ガラス、電子・ディスプレイは前年を上回ったが、化学は大幅減益となった。

営業損益推移 億円
  04/12 05/12 06/12
ガラス    480    380    465
電子・ディスプレイ    709    609    792
化学    176    163     78
    30     32     33
調整       -1     -2
  1,394   1,182   1,366

Asahiglasssegeigyo

化学:
 クロールアルカリ・ウレタン:
  業績は低調に推移
  特に塩ビ関連製品において、エチレン価格高騰の一方で、
  製品市況の回復が弱く、コストアップを十分に価格転嫁出来ず
 フッ素化学・スペシャリティ:
  フッ素樹脂、フッ素樹脂フィルム、液晶材料等の出荷は堅調に推移したが、
  クロールアルカリ・ウレタンの落ち込みを補うには至らず

 

全体として好業績のガラス、電子・ディスプレイも、大きな問題を抱えている。

ガラス:
北米における板ガラス市場は、住宅用ガラスが大きな割合を占めているため
住宅市場の減速の影響を強く受け、供給過多の状況が続いている。また、天然ガスなどの原燃材料費高騰によるコスト上昇のため、採算は悪化している。
(2007/1/23 「
ニュースのその後、米国住宅着工件数」参照) 

電子・ディスプレイ:
CRTが想定以上に需要落ち込みのペースが速く、想定以上のスピードでFPD(フラットパネル・ディスプレイ)にシフトしている。

これらの問題に対処するため、同社では構造改善策として1000億円の特別損失を計上した。

CRT構造改善:
2006年下期以降、改善テンポを速めて生産集約化し、2007年3月末にはピーク時の40%まで能力を削減した。
その上で売却可能資産を除いて固定資産残高はほぼゼロにし、
460億円の特別損失を計上した。
残る拠点についても、コストミニマム化・最適受注を図るとともに、継続的に事業縮小を検討する。

ガラス構造改善:
北米事業全体の再構築を推進した。
板ガラス部門では不採算のシナミンソン工場を閉鎖、自動車ガラス部門ではS&Bでメキシコ工場を閉鎖した。
その上で米国子会社のAFGインダストリーズの
暖簾代400億円を減損処理した。

特別損益       億円
  2005 2006
構造改善費用  -157  -575 CRT構造改善 -460
北米板ガラス構造改善
-45
自動車用ガラス構造改善
-50
固定資産減損  -316  -456 AFG社のれん代減損 -400
固定資産除却損   -38   -49  
資産売却益   200   196  
その他  - 52   -79  
特別損益 計  -363  -962  

ーーー

2007年度は営業利益率10%以上達成を目標に下記の施策を行う。

 ・ディスプレイ事業
   TFT用ガラスに1000億円以上投資
   CRT事業の収益改善
 ・ガラス事業
   新興市場で3基の新フロート窯の稼働を計画
 ・北米地域
   北米事業の収益改善
 ・E&E事業
   エレクトロニクス&エネルギー(E&E)事業の本格的立ち上げ

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