U.S. Chemical Safety Board (CSB) は6日、2004年4月23日にIllinois州Illiopolis の Formosa PlasticsのPVC工場で発生した爆発事故の調査結果を発表した。
工場はFormosa Plasticsが倒産したBorden Chemicals and Plasticsから2002年に買収したもので、能力は汎用PVC 80千トン、特殊PVC 80千トン、従業員は135名。
爆発で5人が死亡、3人が重傷を負った。工場は全壊し、閉鎖された。
CSBは詳細な報告書とビデオを発表した。
報告書 http://www.csb.gov/completed_investigations/docs/FormosaPlasticsFinal.pdf
ビデオ http://events.powerstream.net/002/00174/Player/?contid=Formosa_Illiopolis_Illinois
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報告ではオペレーターが安全ロックを無理やり開けたため、VCMが放出され、爆発したと結論付け、Formosa Plastics と以前のオーナーのBorden Chemicals and Plasticsがヒューマン・エラーへの対応が不十分であったとしている。
当日、オペレーターがリアクター上部を洗い終り、下部を洗うため階段を降りたが、VCMの入っている別のリアクターと間違い、バルブを開けようとした。リアクターに圧力がかかっているため、安全ロックが機能していてバルブが開かなかったが、リアクターの間違いに気づかないまま、何故開かないのかをチェックせずに、無理やり安全ロックを外した。
VCMが漏れ出し、ガスが充満し、非常ベルが鳴った。オペレーターは圧力を下げて放出を抑えようとしたが、爆発が起こった。
Formosa Plastics もBorden Chemicals and Plasticsも、ヒューマン・エラーの発生を減らす努力をしていなかったのが分かった。
圧力がかかっている場合には安全ロックが外れない工夫がなかった。リアクターが4つ並んでいるが、バルブのある階下には操業状況を示す表示がなく、連絡の手段もなかった。
また、オペレーターには避難する時間は十分あったが、避難せずに無駄な努力をしたが、こういう際には直ぐに避難するという指示も訓練もしていなかった。
同工場で何度も危険な事態が発生し、VCM漏れが大事に至ることが分かっていながら、対策を取っていなかったとしている。
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なお、Borden Chemicals and Plasticsの3つの工場のうち、Louisiana州Addisの工場はShintechが、ルイジアナ州Geismar の工場はWestlake Group(Geismar Vinyls)が買収した。
Addis工場は1979年に信越化学の技術を導入し建設された工場で、シンテックの工場から約2km離れた場所に位置するが、Shintechは買収後、設備に問題がありとして廃棄した。
「1回でも事故を起こせば致命的な打撃を受ける。今回の買収では、商権を手に入れただけで投資の成果は十分に上がった。」(金川社長「私の履歴書」)
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参考 2005/10/6 テキサス州ポイント・コンフォートのフォモサ・プラスチックスの爆発事故について
2006/8/7 「米工場爆発事故の調査結果」
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