デュポンは20日、同社のSentryGlas(R) Plus 建築用合わせガラス中間膜がGrand Canyon の新名所「Skywalk」に採用されたと発表した。
米アリゾナ州のGrand Canyonに、絶壁から突き出したガラス製の展望台から約1,200メートル下の谷底が望める「Skywalk」が完成し、28日から一般公開される。
http://www.grandcanyonskywalk.com/Japanese/home.html
「Skywalk」はGrand Canyonの観光拠点のSouth Rim の西方にあるHualapai インデアン居住地のEagle Point に完成した。絶壁から20メートル余りせり出したU字形展望台の土台は鋼鉄製で、床と壁が厚さ約5センチの透明ガラスに囲まれている。
見学者は空中を歩くような感覚で、大峡谷の360度の展望を味わえ、1,200メートル下のコロラド川を見ることが出来る。総重量は480トンで、秒速40メートル以上の強風にも耐えるという。
金属製のローラー上で本体をゆっくり移動させ、U字型の先端が崖から約20メートル張り出した位置で、地中深く打ち込んだ4本の鉄軸に溶接した。張り出す部分とのバランスを取るため、反対側には約230トン分の鉄の重りが使われた。
Hualapai Indianの許可を得たラスベガスの開発業者が 3,000万ドルを投じて建設したもので、展望台は一度に120人までが15分間見学でき、入場料は1人25ドルとなっている。
発表によると、幅およそ2.8メートル、長さ21メートル、厚さ5.4センチのガラス床は、多層構造のガラス建造物で4層のSaint-Gobain社のDiamant(R)熱処理ガラス(8mm x 1+10mm x 3 )の間に1枚ずつ、計3枚のSentryGlas(R) Plus 建築用合わせガラス中間膜を貼りあわせたもの。
SentryGlas(R) Plus 建築用合わせガラス中間膜はデュポンが開発したアイオノマー樹脂フィルムで、エチレン-メタクリル酸共重合体やエチレン-アクリル酸共重合体の分子間を、ナトリウムや亜鉛などの金属のイオンで分子間結合した特殊な構造を有する樹脂。
軽量なのに強靭(ポリビニルブチラール:PVBの約5倍)で高い安全性、紫外線カットの省エネ特性、金属との接着力が高いこと、透明度が高いことなどから、フレームレスのデザイン性の高い構造用あわせガラスを製造することを可能にした。
これまで世界中の数多くの革新的で受賞歴のある建造物の材料に採用されており、ニューヨーク市のロックフェラーセンターのTOP OF THE ROCK展望デッキの極めて透明な展望パネル、フロリダ州マイアミにある連邦裁判所の耐風・防爆窓ガラス、世界に多数あるアップルストア内のガラスの階段と手すり、ユニークなデザインが特徴的な中国のShanghai Oriental Arts Center などで使われている。
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