武田薬品は12日、1999年にケンブリッジ大学の研究者により設立された創薬研究のバイオベンチャーのParadigm Therapeutics を買収する契約で合意したと発表した。100%子会社とする。
Paradigm社は、遺伝子組み換え技術を基盤として、世界的レベルの創薬ターゲット同定・評価能力を有しており、疼痛、中枢神経系疾患、前立腺ガン・乳ガンなどのホルモン依存性疾患、糖尿病・高脂血症・肥満などの代謝性疾患を重点領域と位置付け、アンメット・ニーズを満たすため新規創薬ターゲットおよび化合物の創製に取り組んでいる。
武田薬品は同社と同社のシンガポール子会社をそれぞれ、「武田ケンブリッジ株式会社」、「武田シンガポール有限会社」と改称する。
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Paradigm Therapeutics のこれまでの主株主はBio*One Capital 、Avlar BioVentures、Merlin Biosciences の投資会社3社である。
後の2社は英国の投資会社だが、最初のBio*One Capital はシンガポール政府の経済開発局(EDB)の投資部門である。
Bio*One Capital はシンガポールのバイオ・医薬事業を推進するため、シンガポールで研究開発や製造や事業を行ってくれそうな会社に投資をしている。
投資対象は次の分野である。
・Small Molecule Drug Discovery & Development
・Biologics & Cell Therapy
・Medical Tools and Technologies
同社の投資先は以下のような会社である。(青字はシンガポール進出会社)
Drug Discovery/Development Companies :
Addex Pharmaceuticals SA、Aderis Pharmaceuticals Inc、CombinatoRx Singapore Pte Ltd、
Cyclacel Ltd、Idenix Pharmaceuticals Inc、Kadmus Pharmaceuticals Inc、Kalypsys Inc、
Maccine Pte Ltd、Merlion Pharmaceuticals Pte Ltd、Microbia Inc、
Neuromolecular Pharmaceuticals、Paradigm Therapeutics Ltd、
Perlegen Sciences, Inc、Renovis Inc、S*Bio Pte Ltd、U3 Pharma AG、Vanda Pharmaceuticals Inc
Biologics and Cellular Therapy :
A-Bio Pharma Pte Ltd、Artisan Pharma、Codexis、ES Cell International Pte Ltd、
Five Prime Therapeutics Inc、Kalobios Inc、Lonza Biologics Tuas Pte Ltd、RenaMed Biologics、
Oxygenix Co. Ltd、ProTherapeutics、SingVax Pte Ltd
Medical Technology :
Amaranth Medical、Attogenix Biosystems Pte Ltd、Biosensors International Pte Ltd、
Broncus Technologies Inc、Fluidigm Corp、KOOPrime Pte Ltd、Neurovision INC、
Merlin MD Pte Ltd、Metrika Laboratories Inc、Power Paper Ltd、Spine Vision SA
Venture Capital Funds :
Aravis Ventures I LP、Care Capital LLC、Forward Ventures IV LP、SV Life Sciences、
MPM Bioventures II LP
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化学経済 2007年3月号に永尾経夫氏の「日本の化学産業の発展戦略 シンガポールの一生懸命さに習う」が掲載されているが、同氏はその中で、次のように書いている。
「シンガポールの成功の要因は、常に先を読んだ判断(経営判断)と産業構造の変革・高度化をブレないで実行する一生懸命さにある。」
「今シンガポール政府が力を入れ始めているのが医薬・バイオ産業の誘致・育成である。・・・・医薬・バイオ産業こそ、これからのシンガポールの発展にふさわしい将来性のある新規産業と考えたのである。・・・
しかし、当然のことだが、同国には企業家はいない。そこで、世界中の医薬・バイオの会社に進出を呼びかけた。シンガポールの開発部局(EDB:経済開発局)が世界中の会社を熱心に進出を呼びかけた。・・・」
「今や同国には、世界のトップ・テンの医薬会社のうちの6社までが製造設備を持つに至ったのだ。」
シンガポールはアジアの石油化学大国だが、バイオ・医薬も同国の基幹産業の一つになっている。
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