ブラジルで石油・石油化学業界の再編

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ブラジル国営石油会社PetrobrasUltra GroupBraskemの3社が共同で、同国の石油精製・販売、石油化学の老舗のIpirangaを買収する。19日、Petrobrasが発表した。

70年の歴史を持つIpirangaの主要株主の5家族がブラジルの石油・石化大手に持株を売却したいとしたのに各社が対応するもの。

Ipirangaは1937年にブラジルの実業家がウルガイの投資家と組んで、Ipiranga河沿いに製油所を建設したのを始めとする。

同社の事業は以下の通り。
Companhia Brasileira de Petróleo Ipiranga (CBPI)
Distribuidora de Produtos de Petróleo Ipiranga (DPPI)
Refinaria de Petróleo Ipiranga S.A. (RPISA)
Ipiranga Petroquímica (石油化学)

1976年にHoechst、Petroquisa、Ipirangaの3社合弁のPolisul が設立され、石油化学を始めた。1992年にHoechstとIpirangaの50/50JVとなったが、1997年にHoechstが離脱し、Ipiranga100%のIpiranga Petroquimica となった。
南部の
Triunfo にCopesulに隣接して5工場を持つ。同社の能力はPP150千トン、HDPE3プラント計 400千トン、HDPE/LLDPE 150千トンとなっている。

同社はまた、エチレン専業メーカーのCopesul (エチレン 1,135千トン)に出資している。
 
Ispiranga29.46%
 
Braskem:29.46%
 Petroquisa
Petrobras子会社):15.63%

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買収総額40億ドルで、Ultra Groupは自社株発行で買収し、Petrobrasは13億ドル、Braskemは11億ドルを出す。

まず、Ultra GroupがIpiranga の大株主から株を買取り、他の株主からTOBで株を買い、100%子会社とした上で、事業を以下のように、PetrobrasBraskemに配分する。

石油精製:Rio Grande do Sul の製油所はPetrobrasUltra GroupBraskemが均等に出資し、事業を継続する。

石油販売:ブラジル南部、南東部は
Ultra Groupが引き受け、引き続きIpirangaのブランドで販売する。
      北部、北東部、中西部は
Petrobrasが引き受け、5年の間に自社ブランドに順次変更する。

石油化学:Braskemが資産の60%を引き受け、Petrobras40%を引き受ける。
       エチレンJVのCopesul
は上場廃止とし、Braskemが支配権を得る。

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Ultra GroupUltrapar にはLPGで24%のシェアを持つ Ultragaz、ブラジル最大のスペシャルティケミカルのメーカーで唯一のEOのメーカーのOxiteno、化学品や燃料の輸送関連のUltracargo などがある。

参考:ブラジルの石化会社関連図 

Brazil1kanrenzu_2  

Braskemとブラジルのエチレンメーカーについては
2006/4/21
ブラジルのブラスケム、住化などからポリテーノを買収 参照

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