主要石油化学製品生産能力調査

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経済産業省は23日、2006年末時点の我が国の主要石油化学製品生産能力調査の結果を発表した。

今後輸出が減少することが予想されるため、国内販売数量のみと比較すると、各製品ともかなりの過剰能力である。

1.エチレンEthylenecapa

  定修年 スキップ年
東ソー   493   527
昭和電工   615   691
東燃化学   478   515
三菱化学  1,301  1,422
山陽石化(旭化成)   443   504
丸善石油化学   480   525
京葉エチレン   690   768
住友化学   380    415 
大阪石化(三井化学)   455   500
三井化学   553   612
新日本石油化学   404   443
出光興産   997  1,101
合計  7,289  8,023
 

昭和電工・大分で改造工事で能力増(+38)
三菱化学・鹿島2号機で原料多様化工事で能力増(+25)

  * 2006年実績
   生産 7,525、エチレン換算輸出 2,295、差引国内販売対応 5,230千トン   
   他にエチレン換算輸入 489千トン、差引エチレン換算内需 5,719千トン

 2006/9/22 「エチレン業界の変遷

2.ポリエチレン

チッソ    63
日本ユニカー   300
日本ポリエチレン  1,184  
東ソー   308
三井化学     5
プライムポリマー   489
三井・デュポンポリケミカル   170
日本エボリュー   240
住友化学   305
丸善ポリマー   111
宇部丸善ポリエチレン   197
旭化成ケミカルズ   283
合計  3,656
Pecapaall
   
社名 LDPE LLDPE
日本ユニカー   180  
日本ポリエチレン   345   364
東ソー   152    31
プライムポリマー     145
三井・デュポンポリケミカル   170  
日本エボリュー     240
住友化学   172   133
宇部丸善ポリエチレン   147    50
旭化成ケミカルズ   120  
合計  1,286   963
   2,249
Pecapald
   
チッソ    63
日本ポリエチレン   475
東ソー   125
三井化学    5
プライムポリマー   246
丸善ポリマー   111
旭化成ケミカルズ   116
合計  1,142
Pecapahd
   
社名 LL/HD併産
LL HD
日本ユニカー   110    10
プライムポリマー    11    87
旭化成ケミカルズ      47
合計   121   144
   265
日本ポリエチレン、
併産設備をLL、HDに専用化
Pecapalhd
   
     *2006年出荷実績 (千トン)
  国内 輸出 合計 能力
LDPE  1,572   228  1,800  2,370
HDPE   971   116  1,087  1,286
  他に次の輸入あり 
        (千トン)
レジン(LD)   201
レジン(HD) 16
PE袋 480
PEフィルム 121

 2006/9/29 「日本のポリオレフィン業界の変遷」 


3.PPPpcapa

浮島ポリマー   127
サンアロマー   218
日本ポリプロ  1,082
住友化学   386
プライムポリマー  1,071
宇部ポリプロ    90
徳山ポリプロ   200 
合計  3,174

*2006年出荷実績 (千トン)

国内 輸出 合計
 2,756   321  3,077

 2006/9/29 「日本のポリオレフィン業界の変遷」 


4.SMSmcapa

日本スチレンモノマー
(新日鐵化学65%/東ソー35%)
  232
太陽石油化学
04/1/1 三井化学から譲受け
  335
日本オキシラン
(住友化学60%/Lyondell 40%
  412
千葉スチレンモノマー
(電気化学60%/住友化学40%)
  270
電気化学   240
新日鐵化学   190 
出光興産   550
三菱化学   371
旭化成   803
合計  3,403


*2006年出荷実績 (千トン)

国内 輸出 合計
 1,949  1,405  3.354

  2006/4/22  「スチレンモノマー業界」 

5.PSPscapa

日本ポリスチレン
(住友化学/三井化学)
  162
大日本インキ化学   131
東洋スチレン
(電化/新日化/ダイセル)
  278
PSジャパン
(旭化成/三菱化学/出光)
  445
合計  1,016

*2006年出荷実績 (千トン)

国内 輸出 合計
  876   22   897

PSは構造改革の優等生で、メーカーも4社となり、安値の輸出はほとんどやらず(中国のダンピング調査ではシロとなったが)、能力も内需に合わせ縮小した。

2006/10/7 「日本のPS業界の変遷」 

しかし、これが最後の業界再編に障害となった。
2004年6月、PSジャパンと大日本インキ化学のPS事業と統合を発表したが、公取委は競争を実質的に制限する恐れがあるとの指摘を行い、計画は白紙に戻った。

国内の製造業者は4社であり,これら国内の競争業者に供給余力がほとんどないことと,輸入品については輸出国に供給余力がない状態が当分継続するというのが理由である。

2006/02/20  競争政策研究会の「企業結合審査における改革の進展状況と今後の課題」  


6.VCMVcmcapa

テック   391
東ソー  1,480
トクヤマ   330
京葉モノマー   200
カネカ   540
鹿島塩ビモノマー   600
合計  3,541

*2006年出荷実績 (千トン)

国内PVC用  1,373
国内その他用    42
輸出PVC用   744
VCM輸出   888
合計  3,048

  2006/9/18 「日本のVCM業界の変遷


7.PVCPvccapa

徳山積水   116
テック   334
大洋塩ビ   564
東ソー    28
新第一塩ビ   292
信越化学   550
カネカ   466
合計  2,351

*2006年出荷実績 (千トン)

国内 輸出 合計
 1,364   744  2,109

VCMの場合、能力 3,541千トンに対して、国内向けPVC用その他は1,415千トンと40%に過ぎない。
PVCの場合も、能力2,351千トンに対し、国内販売はその58%である。

 2006/9/13 「日本のPVC業界の変遷と現状」 

但し、PVCの場合には、米国などと比較すると、潜在需要は大きい。これを顕在化できるかどうかが問題である。

 2006/3/3 「日本の塩ビ事業」 参照 

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