BASFは21日、農産物のバイオテクノロジー分野でモンサントとの提携に合意したと発表した。
両社は合計で15億ドルの研究開発費を投じ、収穫量が多く、干ばつなど異常気象への耐性も強い農産物を共同で研究・開発する。
対象となるのは、今後も世界的に大きな需要が見込まれるトウモロコシ、大豆、綿花、菜種(canola:セイヨウカブラナ)の4種類の農産物。遺伝子組み換えの技術などを持ち寄り、共同で商品化を早める。
2010年代の最初の5年をメドに第1弾の販売を目指す。
有望な遺伝子が見つかれば相手に通知し、共同で開発する。開発費は50/50で負担する。
商品化した場合、製品はモンサントの販売網で販売する。
販売から得られる収益は、モンサントが60%、BASFが40%の比で配分する。
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BASFの農業科学部門 BASF Plant Science は1998年に設立され、モンサント、シンジェンタと並んで遺伝子組み換え作物の開発で世界をリードしている。
2006年にはオーストラリア分子植物育種協同研究センターとの協力関係を拡充し、オーストラリアでの干ばつ耐性や真菌病抵抗性のGM小麦を共同開発している。
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モンサントは1901年に設立され、最初はサッカリンを製造した。
(創業者のJohn F. Queenyが妻の名前Olga Monsanto Queenyの旧姓を社名にした)
1945年に除草剤2.4D、1976年に除草剤Roundupを商業生産した。
1985年に医薬会社のG.D. Searle & Co (1888年設立)を買収し、医薬部門とした。
1997年に化学品、繊維部門をスピンオフし、Solutia Inc. とした。
2000年、Pharmacia & Upjohn と合併し、Pharmacia Corporation となった。
2002年、旧モンサントの農薬部門がPharmacia からスピンオフし、新モンサントとして独立した。
(Pharmacia は2003年にPfizer に吸収合併されている。)
新モンサントは2005年に野菜や果物の種子のグローバルリーダーの Seminis, Inc. や、綿花の種子メーカーStonevilleを買収している。
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