インド最大の私企業で石化業界のリーダーのReliance と、石化業界第二位の Indian Petrochemicals Corporation Limited (IPCL)の取締役会は10日、それぞれ、Reliance とIPCLの統合を承認した。
Reliance は石油・ガス、石油製品、石油化学に多角化し、内外で事業の拡大を図っている。
2002年にインド政府の民営化方針に基づき、IPCLの政府持分26%を買収し、その後、20%を追加取得し、46%を所有している。
同社はまた、2004年に採算悪化を理由に石油化学プラントの稼働を中止していたNOCIL(National Organic Chemical)から石油化学と樹脂事業を買収した。
海外では2005年8月には、失敗はしたが、BPの石化子会社 Innovene 買収(80億ドル)のためのDue diligence を実施している。
現在、Jamanagarの経済特区に新しく石化コンプレックスを建設することでダウと交渉をしており、ダウが参加する場合には、見返りにダウの米国の石化事業への参加を求めているといわれている。GEプラスチックやダウの買収を狙っているとの噂もある。
2007/1/16「インドの Reliance Industries」
2007/3/2 「Dow 買収説」
RelianceはJamnagar に製油所、Haziraにナフサクラッカー、NarodaとPatalganga に合成繊維等のコンプレックスを持っている。
Haziraのエチレン能力は75万トン。
IPCL はBaroda にナフサクラッカー、Gandhar と Nagothane にガスクラッカー(合計エチレン 875千トン)を持つ。
同社はまた、2005年にポリエステルメーカー6社を同社に統合し、ポリエステルメーカーになった。
Reliance は統合により、規模拡大を図るとともに、IPCLへの原料(天然ガス、ナフサほか)供給等も行う。
統合後の全社能力は下記の通り。 (千トン)
Reliance | IPCL | 合計 | |
Ethylene | 750 | 875 | 1,625 |
Propylene | 365 | 225 | 590 |
Paraxylene | 1,856 | 48 | 1,904 |
PP | 1,150 | 195 | 1,345 |
PE | 450 | 555 | 1,005 |
PVC | 325 | 205 | 530 |
PTA | 1,350 | ー | 1,350 |
Polyester Staple Fibre | 550 | 126 | 676 |
Polyester Filament Yarn Partially Oriented Yarn |
523 | 266 | 789 |
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各コンプレックスの概要 (千トン)
Reliance
|
: | IPCL
|
Relianceの他の工場の概要は以下の通り。
Jamnagar に新設する製油所の隣には年産27百万トンの製油所があり、石化原料のナフサ、芳香族とPPを生産している。
PPは当初の3系列77万トンに、2006年第4系列28万トンが加わった。
同じく27百万トンの新製油所では100万トンのPPを新設する。
PatalgangaではPTA、ポリエステル繊維、LAB等を生産。
Naroda はインドで最も近代的な繊維のコンプレックス。
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IPCLは2005年にポリエステルメーカー6社を統合した。
会社 | 立地 | 製品 | 能力(t) |
Recron Synthetics | Allahabad | PFY | 66.,000 |
India Polyfibres | Barabanki | PSF | 40,000 |
Orissa Polyfibres | Dhenkanal | PSF | 35,000 |
Appollo Fibres | Hoshiarpur | PSF | 51,681 |
POY | 14,870 | ||
PFF (Conjugate) | 28,330 | ||
PFF (fibrefill) | 10,630 | ||
Chips | 14,600 | ||
Central India Polyesters | Nagpur | POY | 45,000 |
Silvassa Industries | Silvassa | PFY | 141,000 |
PTT | 600 |
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