GE Plastics の入札が4月央に行われる見通しだが、SABICが争奪戦に加わる。
参戦者が多く、当初100億ドルとされたが、今や120億ドルといわれている。
26日付けのFinancial Times によると、SABICは入札準備のためにCitigroup を指名した。
同社は昨年7億ドルでHuntsman の欧州汎用品事業を買収したが、その際、SABIC副会長は、それがSABICがグローバルに拡大する意思を示すものであるとしていた。
GE は1月にGE Plastics 売却を考えていることを明らかにした。
2007/1/11 「GEがGEプラスチックスを売却か?」
2007/1/22 「GEについて」
入札はGoldman Sachs が実施するが、参加を希望する Apollo Management、Blackstone Group、Carlyle Group、Kohlberg Kravis Roberts & Co の4社はGoldman Sachs の要請に応じ、4社の間では組まないとの誓約をしている。
このうち、Blackstone は(DuPontのTextiles & Interiors 部門INVISTAを買収した)Koch Industries と、Carlyle は投資会社のTexas Pacific Group と組んでおり、KKR も(Rhodia のフェノールその他事業を買収したり、イスラエルDor Chemicalsに出資している)Bain Capitals と組む予定である。
Apollo Management は昨年、GE Silicones を買収している。
このほかインドの Reliance Industries も手を挙げている。同社はDowの基礎部門のJV相手と噂されていたが、最近のインド紙の報道ではこの話は潰れたとされる。(交渉はまだ続いているとの報道もある)
更にBasell やBASF も噂に挙がっている。
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なお、SABICは中国で2つの石油化学計画を持っている。
一つはSINOPECの天津計画(エチレン100万トン)への参加、もう一つは大連市の旅順港での大連実徳グループとの年産1千万トンの製油所と年産130万トンのエチレンコンプレックス計画である。
2006/8/1 「クウェートの中国進出」 後半 参照
SABICは昨年1月のサウジのアブドゥッラー国王の最初の公式訪中を機に計画の実現を希望したが、これらはいずれも進展が見られない。
大連の計画は中国の11次5ヵ年計画(2006-2010)にも含まれておらず、当面承認の可能性がない。
中国政府がSaudiAramco の福建計画の承認で、とりあえずはサウジはお終いとしたとの見方もある。
これに対し、SABICの会長のPrince Saud bin Thunayan Al-Saud は2月25日にメディアの取材に対し、「中国政府が出来るだけ早くプロジェクトを承認することを希望する」「わが社の投資先は中国だけではない。他にもたくさん投資先がある」と述べている。
但し、一方で「中国市場には未来がある。中国への投資は大きなチャンスだ」とも語っている。
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福建計画については2005年7月8日に起工式が行われ、エチレン設備は2006年11月に着工した。
遅ればせながら、JVの正式承認を祝う式典が本年3月30日に北京の人民大会堂で行われ、サウジの石油鉱物省大臣などが出席した。
JVは石油の精製・石化会社と石油製品販売会社の二つ。
①Fujian Refining & Petrochemical Company Limited
出資 Fujian Petrochemical Company Limited 50%
(Sinopec 50%/ 福建省政府 50%).
ExxonMobil China Petroleum and Petrochemical Company Limited 25%
Saudi Aramco Sino Company Limited 25%
事業 石油精製:現行80千バレル/日(400万トン/年)→240千バレル/日(1200万トン/年)
石化:エチレン800千トン、PE 800千トン、PP 400千トン、PX 700千トンほか
スタート 2009年初め
②Sinopec SenMei (Fujian) Petroleum Company Limited
出資 Sinopec 55%
ExxonMobil China Petroleum and Petrochemical Company Limited 22.5%
Saudi Aramco Sino Company Limited 22.5%
事業 福建省でターミナルと750のサービスステーションを運営
2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2 参照
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