METI 「世界の石油化学製品の今後の需給動向」の「国別データシート」から中東の石化の状況を見る。
http://www.meti.go.jp/policy/chemistry/main/teikihapyousiryou/070419kunibetudeta1.pdf
中東のエチレン系製品の世界の能力(エチレン換算)に占める割合は下図の通り増え続けている。
エチレン
主な新増設計画と検討状況
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この結果、2005年末の中東のエチレン能力約1,133万tが2011年末には 2.3倍の約2,625万tに達するものと予想される。
今回のスタディーに組み込まれてないその他中東のエチレン計画も約1,200万tあり、これらの計画が実現する場合には中東が世界最大のエチレン生産地域となる可能性が強い。
プロピレン
オマーンではリファイナリーよりのプロピレンプラント 34万tが本年より稼動を開始し、サウジではエチレンの副産物のプロピレン生産に加え、Al Jain(2008年40万t) 、Al Zamil (2008年 45万t)、NPPC (2008年 45万t)、以上合計 130 万tのプロパン脱水素によるプロピレンプラントの稼動が計画されサウジ全体では418万tのプロピレン能力増が予想される。
更にUAE ではメタセシス法(エチレン + Butene-2→プロピレン)による90万tのプロピレン生産の開始が2011年に計画されており、中東全体では2005年末のプロピレン能力約265万tが2011年には約881万tと、616万t増加することが予想される。
この為今後はエチレン系のみならずプロピレン系誘導品の輸出が急増するものと予想され、アジア諸国などへのインパクトが注目される。
この為今後はエチレン系のみならずプロピレン系誘導品の輸出が急増するものと予想され、アジア諸国などへのインパクトが注目される。
誘導品
中東での今後の人口増加傾向、需要の増加も見込まれるが、競争力ある原料を基に続々と新規エチレン計画が完成し、需要の拡大が見込まれるアジア並びに大きな能力増強が予定されていない西欧を中心にポリエチレン、エチレングリコールとして今後も輸出され、年々その輸出量は増加、世界市場への最大の石化輸出基地として位置付けられる。
又昨年よりプロパン脱水素法によるプロピレン及びPP の生産が開始され、PP としてアジア・西欧向けに輸出され、中東での石化産業の裾野が拡大する。
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