中国核工業集団公司は、江蘇省の田湾原子力発電所の2号プラントが14日夜試運転に成功したと発表した。年末に商業運転を開始する予定。
1号プラントは既にフル稼働に入っており、17日に本格的な商業運転を開始した。
田湾原発は、これまでに中国とロシアが協力した最大の技術経済提携事業で、ロシアのAES-91式加圧水型炉(PWR)を採用し、1、2号機それぞれ106万kw と、単体では中国最大の出力を持つ。
中国の原子力開発は1955年に中ソ原子力協力協定の締結で始まったが、中ソ対立のため、ソ連は1960年に中国から引き上げた。これを契機に中国は独力で原爆開発を進め、原子力の軍事利用技術を確立した。
中国最初の原子力発電所である秦山1号機は31万kWのPWRで、中国が独自に設計・建設し、1994年4月に営業運転を開始した。
広東の大亜湾原子力発電所はフランスのフラマトムに発注したもので、1994年に営業運転を開始した。
第9次5カ年計画に基づき、広東嶺澳発電所、秦山第2期・第3期工事、田湾発電所を建設し、田湾を除いて全て2005年までに営業運転を開始した。2005年12月末現在運転中の原子炉は合計9基、700万kW。
このうち、泰山第3のみCANDU(カナダ型重水炉)で、タービンは日立が供給した。他はすべてPWR(加圧水炉)。
このほか、広東省の嶺澳第2と陽江が着工しており、浙江省の三門と泰山第2の3号機、4号機が計画されている。
なお、2004年の中国における発電の内訳は次の通り。
石炭火力 | 82.6% |
水力 | 15.0% |
原子力 | 2.3% |
再生可能エネルギー | 0.1% |
中国の原子力発電所は以下の通り。
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資料
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/14020303_1.html
http://www.fnca.jp/pi/workshop2005_img/2005_02.pdf
付記
2007/5/22、原子力発電技術を統括する国家核電技術公司が国務院の正式認可を経て発足した。
国務院、中国核工業集団公司、中国電力投資公司、中国広東核電集団公司の4者共同出資で、資本金40億元のうち60%を国家が出資した。
国務院に代わり、国家を代表して外国との契約を行い、第3世代の先進的原子炉技術の移転を受け、関連プロジェクトの設計や管理を行う。また、技術を吸収し、新たな中国の原子力発電技術ブランド形成で主体的役割を担う。
* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm
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