Access Industries の会長 Leonard (Len) Blavatnik がLyondell Chemical の株式 8.3%を購入する契約をMerrill Lynch との間で締結した。
21百万株で653百万ドルにのぼり、「戦略的投資」としている。
同時に、Occidental Petroleum がLyondell の株式7百万株をMerrill Lynchに売却し、残りについても(合計でBlavatnikの購入分に相当)処分するスワップ契約を結んだことが判明した。
Len Blavatnikはロシア生まれの大富豪で、Access Industries のオーナー。
Access Industries は2005年に57億ドルでBasell を買収している。
2006/6/15 「Basellの買収」 参照
Lyondell Chemical については下記を参照。
2007/2/26 「Lyondell とシノペック鎮海煉油化工、寧波で PO/SM 生産」
同社は1997年に、同社41%出資で、Millennium Chemicals とOccidental がそれぞれ29.5%を出資するオレフィンおよぴポリオレフィンのJVのEquistar Chemicals を設立した。
2001年にOccidental が持株をLyondell に売却し、その代金でLyondell 株を購入している。
その後、2004年12月にLyondell とMilleniumが合併し、Millenium と Equistar が Lyondell の子会社の形をとっている。
今回は、Merrill Lynch を通して、Occidental がLyondell 株をLen Blavatnik に売却することとなる。
あるコンサルタントは、今回の動きは米国の石油化学の資産が、景気変動の波を受ける事業とは言え、価値のあるものということを示しているとしている。
これに対して Lyondell の CEO はもし買収の提案があれば検討するとしながらも、景気の悪化したときのことを考えると、買収のために80億ドルから100億ドルも資金を貸す側は大変だろうとコメントしている。
このあと、Len Blavatnik がどう動くのか、今のところ不明だが、「戦略的投資」という以上は、Basell とのなんらかの結びつきを考えていると思われる。エチレンやPO/SMに強いLyondell とポリオレフィン世界一のBasell との組み合わせは強力である。
更に、10日付けのBloomberg は、GE Plastics の売却先がApollo, Sabic と Basell の3社に絞られたと報じている。
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