SABICとARAMCOのトップが上海でのフォーラムで24日、両社がそれぞれSinopecとJV交渉を進めていることを明らかにした。
いずれも間もなく発表される予定。
SABICはSinopec天津の新しい100万トンエチレン計画に10億ドルを投資して参加する。
本計画は当初、ダウケミカルと中国側(SINOPEC/天津市)の50/50 JVとして検討されたが、ダウが経済性を理由に撤退した。
その後、天津市は外資企業の参加を求め、SaudiAramcoやSABICも検討対象となったが、進展はなかった。
SINOPEC天津分公司は2005年末、政府から単独での大拡張計画の承認を受け、昨年6月26日、天津浜海新区の大港石油化学基地で着工した。2009年9月スタートの予定。
既存の500万トンの製油所を1250万トンに拡張し、エチレン100万トンを新設するもので、既存エチレンと合わせ、エチレン能力は120万トンとなる。誘導品は以下の通り。
LDPE 300千トン
HDPE 300千トン(INEOS Innovene S Process)
PP 450千トン
EOG 420千トン(ダウ技術)
その他
2006/7/3 SINOPEC天津分公司の100万トンエチレン計画着工
SABICはその後、参加に熱意を示し、昨年1月のサウジのアブドゥッラー国王の最初の公式訪中を機に、交渉を再開したといわれている。
SABICはこのほか、2004年6月に大連実徳グループと50/50のJVで、大連市の旅順港に50億ドルをかけて、年産1千万トンの製油所と年産130万トンのエチレンコンプレックスをつくる計画をたてた。(その後、エチレン能力を100万トンに落とした。)
2007/1/4 SABIC、大拡張計画
大連の計画は中国の11次5ヵ年計画(2006-2010)にも含まれておらず、当面承認の可能性がない。
中国政府がSaudiAramco の福建計画の承認で、とりあえずはサウジはお終いとしたとの見方もあった。
天津、大連のいずれの進出計画も一向に進展をみなかったため、SABICの会長のPrince Saud bin Thunayan Al-Saud は2月25日にメディアの取材に対し、「中国政府が出来るだけ早くプロジェクトを承認することを希望する」「わが社の投資先は中国だけではない。他にもたくさん投資先がある」と述べた。
但し、一方で「中国市場には未来がある。中国への投資は大きなチャンスだ」とも語っている。
なお、SABICはこのたび、北京と深センに事務所を開いた。既存の上海、香港を加え、4事務所となる。
SABIC会長は、中国はSABICにとって戦略的に最も重要な輸出国であり、世界で最も成長力のあるポリマーの市場であるとし、今回の事務所の開所は中国へのコミットメントを示すもので、SABICの新しい石化プラントの製品のほとんどは中国を中心とするアジアに輸出されると述べた。
SABICはこのたびGE Plasticsの買収を決めたばかりで、SABICの大拡張計画は着々と進展している。
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SaudiAramco はSinopecの山東省青島の製油所に参加する契約書を間もなく締結する。
Sinopecは青島製油所の持分の25%をSaudiAramcoに譲渡するといわれている。
青島製油所は第一期の能力10百万トンで、来年末に商業生産開始の予定。
本年4月に両社は、Aramcoが2010年まで、100万バレル/日の原油を毎年Sinopecとその子会社に供給する覚書を締結している。
今回の青島製油所への参加はAramcoにとっては福建石化計画に次ぐもので、潜在需要の大きい中国への進出を意味し、Sinopecにとっては原油の安定供給の確保に大きな意味がある。
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