米投資会社のBlackstone Capital Partners はこのたび、Celanese社株式の売却を完了した。
Blackstone は2004年に Celanese をTOBにより38億ドルで買収し、ドイツ株式市場から上場廃止とした。
同社は取得の7ヵ月後には米国証券取引委員会に7.5億ドル(その後10億ドルに修正)の株式発行(IPO)の予備登録を行い、2005年初めに株式発行して New York 市場に上場した。
同社はその後、順次持株を売却し、本年5月に残り株式を売却して、完全にCelanese から離脱した。
2005年初めのCelanese 株式の発行価格は16ドルであったが、その後の化学品の価格上昇と同社の営業面、及び事業戦略面での改善で株価は上昇し、35ドル前後となっている。
この結果、Blackstone はCelanese の買収→売却で、短期間の間に50億ドル以上の利益を得たこととなる。
Celanese の基はドイツのHenri Dreyfus が1913年に設立したCellonit Gesellschaft Dreyfus (セルロイド製造)で、その後、航空機用ペイント、その原料の酢酸の製造を行った。英国、米国にも進出、第一次大戦後の需要減でアセテートの製造を始めた。
1961年に米Celanese はヘキストとの合弁で Ticona を設立、1964年には米 Celanese は日本でダイセルとの合弁でポリプラスチックを設立している。
1987年にヘキストがCelanese を買収したが、1997年にヘキストは事業再編でTiconaを分離、1998年に化学部門を新セラニーズとして分離した(Ticonaはセラニーズ子会社となる)。
元の親会社のヘキストとローヌプーランはライフサイエンス部門を統合してAventisとなり、その後、Sanofi Aventis となっている。
Celanese については下記を参照
2007/2/22 セラニーズの中国での活動
* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm
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