BP、Gazpromにロシアのガス田売却

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BPは6月22日、ロシアの合弁会社TNK-BP が保有する東シベリアのKovykta ガス田などの権益をロシア政府系エネルギー会社、Gazpromに売却する、と発表した。ロシア政府から圧力を受けたため。

TNK-BP は東シベリアのKovykta ガス田の権益を持つRusia Petroleum 社の持分62.89%と、ガスの輸送・販売会社 East Siberian Gas の持分50%Gazpromに譲渡する。Gazprom は代価として$700-$900 百万ドルを支払う。
Rusia Petroleum の他の株主はロシアの投資会社Interros Irkutsk の地方政府)

同時に、BP TNK-BP Gazpromとの間で世界中で共同でエネルギー事業に長期的に投資する戦略的協調のMOUを締結した。
将来、今回の
MOUで合意された大規模な共同投資や資産スワップなどが実施された暁には、TNK-BP Kovykta ガス田の25%+1株をその時の正当な価格で取得するオプションを持つ。

Kovykta ガス田は確認埋蔵量約1兆9000億立方メートル。TNK-BP はパイプラインを建設し中国、韓国などにガスを供給する計画だった。

エネルギー資源の国家管理、外資排除を強めるプーチン政権にBPが屈した形。ロシア当局はKovyktaガス田の生産量が計画を下回っているとして、BP側に開発免許の取り消しなどの揺さ振りをかけていた。

ロシア政府は昨年、Shell、三井物産、三菱商事が出資する「サハリン2」にも環境問題を口実に圧力を掛け、Gazprom 50%プラス1株を取得させた。Gazprom は本年3月にはエクソンモービルや丸紅などが主導する「サハリン1」との間で提携交渉に入った。サハリン1で産出する天然ガスを購入し、サハリン2のLNG施設を利用して輸出するほか、国内でも販売する考え。

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TNK-BP はロシアで3番目に大きい石油会社である。2006年に石油換算で日産 190万バレルの生産を上げた。
BPAlfa Access Renova group 50%ずつ所有している。

2003年、BP Alfa Access Renova はロシアとウクライナにそれぞれが所有する石油資産を共同で所有する戦略的パートナーシップの設立を発表、50/50所有の TNK-BP が設立された。上流部門から下流部門まで一貫操業を行ない、生産子会社15社、精製子会社5社(うちロシア国内は4社)、販売子会社11社を保有する。
Alfa Access Renova
はTNK株97%とSidanko株56%を新会社に移管、BPはSidanko株25%、サハリン5の事業権益、モスクワのガソリンスタンドを新会社に移管した。

Alfa Access Renova 3社の連合。
Alfa Group は、ロシアの新興財閥で、ロシア最大の金融産業コングロマリットのひとつ。中心のアルファ銀行のほか、石油及びガス、消費財取引、保険業、小売業と電気通信分野などグループ企業は広範である。
Access Industries ロシア生まれの Len Blavatnik が設立し所有する米国の投資会社で、Basellを買収した。
Len Blavatnik Lyondell Chemical の株式を購入し、話題となっている。
 
参考 2006/6/15 Basellの買収  
     2007/5/16 Access Industries の会長、Lyondell Chemical の株式を購入 
Renova Holding はロシアの長者番付では第5位のViktor Feliksovich Vekselberg の所有するベンチャーキャピタル。

Tyumen Oil Co.TNK)は1995年に西シベリアのハンティ・マンシ自治管区の要請で100%ロシア国営企業として発足した。
1997年、1999年に政府株は公開され、
Alfa Group Access-RENOVAが50/50で買収した。

TNKは当初は中堅石油企業であったが、垂直統合、資本投資、生産会社の吸収合併、破産法を利用した企業買収を行い、大企業となった。石油会社のOnako、Kondopetroleum、Sidanko などを買収し、2002年末にはSibneftと折半出資でSlavneftの74.95%を落札した。

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TNK-BPはKovykta ガス田のガスを中国、韓国などに供給すべく、パイプライン敷設のFSを実施していた。
蒙古を経由するライン、経由しないライン(北朝鮮を経由するラインと経由しないライン)などが考えられていた。

 

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