PetroChinaの子会社大慶石油化学(Daqing Petrochemical )はこのたび、国家発展改革委員会(NDRC)から黒龍江省大慶でのエチレン倍増計画の最終承認を取得した。
同社は当初、既存の60万トンナフサクラッカーのデボトルネッキングで80万トンに増強する計画であったが、これを変更し、60万トンクラッカーを増設して、120万トンに倍増する。誘導品の詳細は明らかにされていない。
原料ナフサは自給する。PetroChinaは大慶に、大慶石化の650万トン製油所と、大慶煉油化工(Daqing Refining and Chemical Company)の550万トンの合計1,200万トンの精製能力を持っている。
本計画のスケジュールは明らかにされていない。大慶市当局は以前に2010年までの完成を表明していたが、昨年初めに発表されたエチレン5カ年計画には含まれていない。
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本計画は中国北東部の産業の活性化と、大慶の原油生産減少の地方経済への影響緩和を狙ったもの。
大慶油田は1960年に開発され、2002年には中国の原油生産の約1/3 を占めたが、その後下降をたどっている。2005年の産出量は4,495万トン、2006年は4,340万トンとなっている。
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また、PetroChina ではエチレン生産ではSINOPECに遅れを取っており、現在6つのコンプレックスで合計能力263万トンしかないが、中国北東部の大慶石化、吉林化学と撫順石化、北西部の蘭州化学、新疆独山子(以上増設)、南西部の成都石油化学(新設)での新増設で2010年までに700万トンに増強するとしている。
現在判明している各社の状況は以下の通り。(単位:千トン、社名の左の番号は下記地図の番号)
立地 現状 新増設 新増設後 ①大慶石化 黒龍江省 600 600 1,200 ②吉林化学 吉林省 850 ? 850 ④遼陽石化化繊 遼寧省 120 80 200 ⑤撫順石化 遼寧省 150 800 950 ⑮蘭州化学 甘粛省 690 ? 690 ⑯新疆独山子 新彊省 220 1,000 1,220 成都石油化学 四川省 - 800 800 合計 2,630 3,280
+α5,910
→ 7,000新増設後の能力は591万トンしかないが、PetroChina では吉林化学と蘭州化学の増設に言及しており、これらで100万トン程度の増設を検討していると思われる。
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