中国で一部業種の基幹企業が外資により買収され、国家経済の安全が脅かされるとの懸念が高まっていることを受け、審議中の独占禁止法草案に新規定が盛り込まれることとなった。
24日に全国人民代表大会常務委員会で中国で初めての独占禁止法の第二回審議が行われたが、その中で提案された。
草案は「外国企業による国内企業の買収やその他の形による国内企業の事業への投資については、National security に関係する場合には関連法と規定に基づき審査を行う」となっている。
政府統計によれば、海外からの中国への直接投資のうち、外資による買収は2004年以前は5%であったが、2004年には11%、2005年には20%と増加している。
更に、近年になって外国企業が国営の大企業や有名ブランド企業を買収するのが増え始めており、中国の経済的な Security に懸念を生じている。
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中国では外国企業による買収について基本的なセキュリティチェックをする体制にはなっている。
昨年商務部と他の政府の5機関により出された規則では、外国企業による国内企業の買収が国のEconomic security に影響を与える場合、重要分野で行われる場合、又は有名な国内のブランドの移管を伴う場合には、商務部の承認を申請することが必要となっている。
それ以前には、商務部の審査、承認は1億米ドル以上の買収・合併に限られていた。
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中国は外国企業による基幹部門の大企業の買収の審査や管理を更に強化することとなる。
NDRCでは外国企業による買収は政府のセキュリティチェックと独禁法上のチェックを受けることが必要だとしている。同時に、どんな買収がナショナルセキュリティに関係するのかなど、詳細な検討が必要だとしている。
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中国では早くも1994年に独禁法の設定を計画したが、それ以降10年以上が経過し、中国の社会主義的市場経済も成熟してきたため、独禁法がいよいよ必要になったと認識され、本年6月に第一回審議が行われた。
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