マレーシアのPetronas は PetroVietnam とのPVC合弁会社の Phu My Plastics and Chemicals のPetroVietnam 持分43%を買収することで合意した。現在、政府認可申請を手続き中。
Petronas は自社所有の50%を含め、100%子会社の海外投資会社 Petronas International に移す。
この結果、Phu Myの出資は以下の通りとなる。
Petronas International 93%
Vung Tau Shipyard 7% (正式名は The Ship Building & Oil-Gas Services Company )
Phu My はホーチミン市南東85kmのPhu My 工業区に10万トンのPVC工場を持ち、2003年から生産を行っている。
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ベトナムにはPVCメーカーが2社ある。いずれも日本の会社が参画して出来た会社である。
まず、三井化学が1995年にベトナムの要請に応えて、タイのTPCおよびベトナム国営企業との合弁でPVCの事業化を決め、ドンナイ省の工業団地に年産8万トンの設備を建設、98年から本格的な生産に入った。
会社名:Mitsui Vina Plastics & Chemical
株主 :三井化学 36%、三井物産 10%、Thai Plastics & Chemicals (TPC)24%、Vinaplast 15%、Fercemco 15%ーーー
Phu My Plastics and Chemicals は当初、ベトナム第二のPVCメーカーとして、Occidental 40%、丸紅30%、現地の PetroVietnam と Tramatsuco 各15%のJVとして計画されたが、1996年にOccidental が撤退、代わりにマレーシアのPetronas が参加してPetronas 40%、丸紅30%、現地30%で事業化調査会社が設立された。
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三井グループ及び丸紅は事業化の後にはベトナムが輸入関税を引き上げることを要請した。
具体的には、三井ビナはPVC8万トンを12万トンに引き上げる計画を持つが(将来的には原料クロルアルカリまで遡る計画も)、条件として輸入関税3%を25%に上げるよう要求した。
しかし、政府は国内の塩ビ加工業を守るという判断から輸入品への関税率(輸入課徴金を含む)を8%にとどめた。
アジア経済危機の影響が長引くベトナムでは、PVCの国内需要は年間10万トン前後で頭打ち状態で、三井ビナは安値の輸入品との競合を強いられ苦戦を続けた。
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輸入関税の引き上げが行われないことから、三井グループと丸紅はそれぞれ撤退を決めた。
三井化学と三井物産の両社は、Mitsui Vina の日本側持分を2000年8月末までにTPCに譲渡を完了、事業撤退した。
三井化学は国内では塩ビ関連事業については1996年4月に東ソー、電気化学と大洋塩ビを設立、PVC事業を移管し、VCM設備も休止している。
Mitsui Vina はTPC70% 出資で社名をTPC Vina Plastic & Chemical と改称、能力は手直しで12万トンとした。
(現在、10万トン増設中との報道がある)
Mitsui Vina TPC Vina 三井化学 36% - 三井物産 10% - TPC 24% 70% Vinaplast 15% 15% Fercemco 15% 15%
丸紅は2000年5月に事業化調査会社の持株を売却、新会社Phu My Plastics and Chemicals の出資比率は以下の通りとなった。
Petronas 50%
PetroVietnam 43%
Tramatsuco 7% (Baria-Vung Tau 州共産党委員会の商事部門)
Phu My は2002年末に10万トンのプラントの商業運転を開始した。
なお、2006年9月に、タイのTPCの取締役会が Phu My のPetroVietnam 持株の買収を承認したという報道があったが、実現していない。
今回、Petronas International が93%の株主となった。Tramatsucoの7% はVung Tau Shipyard の所有となっている。
当初 調査
会社Phu My 今回 Occidental 40% - - - 丸紅 30% 30% - - PetroVietnam 15% 15% 43% - Tramatsuco 15% 15% 7% - Vung Tau Shipyard - - - 7% Petronas
(Petronas International)- 40% 50%
93%
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マレーシアのPetronas はベトナム政府から同国の石油化学事業の計画作成の委託を受けている。
同社はマレーシアのKeltih の石化コンプレックスに同国唯一のVCM会社Vinylchloride (Malaysia) を持っており、ベトナムの2社にVCM を供給している。
Vinylchloride (Malaysia) にも日本企業が参加していた。
同社は当初、マレーシア側(Petronas と Land & General)が50%、三井グループ(三井東圧、三井物産)が50% を出資し、VCM 40万トン、PVC 10万トンの生産を計画した。
しかし、最終的に下記の出資比率で、VCM 40万トンのみでスタートすることとなり、Petronas は代わりにベトナムのPhu MyのPVC計画に参加することとした。
出資比率 Petronas 60%、Land & General 20%、Mitsui VCM 20%
(Mitsui VCM は三井東圧 50%、三井物産 50%)その後、1999年9月に改組し、Petronas 60%、Mitsui VCM 30%、三井物産 10%となった。
また、同時にIndustrial Resins (Malaysia) のKeltih のPVC事業(15万トン)を譲り受けた。Industrial Resins (Malaysia) はLand & General 65%/三井物産 25%/東ソー 10%のJVとして設立され、Johor Bahru にPVC 20千トン、コンパウンド 30千トンでスタートした。
その後、Keltih にPVC 150千トンを建設したが、1999年9月に三井物産と東ソーが離脱してLand & General 100% となり、Keltih のPVC はVinylchloride (Malaysia) に移された。
Johor Bahru のPVCはIndustrial Resins (Malaysia) のままで、能力5万トン。なお、マレーシアには上記のVinylchloride (Malaysia) とIndustrial Resins (Malaysia) のほかに、日本ゼオンが以前出資していたMalaysia Electro Chemical Industry のペナンの5万トン、カネカ100%出資のKaneka Paste Polymer のGebeng のペースト3万トンがある。
三井化学のPVC事業からの離脱に伴い、Mitsui VCM は三井物産 95.778% 出資となったが、三井物産も本事業からの撤退を決め、2004年7月にVinylchloride (Malaysia) はPetronas 100% となり、Mitsui VCM は同年8月に解散した。
当初案 設立 改組 現状 Petronas 25% 60% 60% 100% Land & General 25% 20% - - Mitsui VCM 50% 20% 30% - 三井物産 ー ー 10% -
タイのTPCも当初、地元のCEグループと、旭硝子出資のTHASCO Chemical(現在は旭硝子99.85%)、三井物産/三井東圧の3社JVとして設立された。
同社については下記の最後の部分を参照
2006/6/8 タイの石油化学の現状
* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm
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