Ineosは6月29日、Lanxess との間でABS事業の合弁会社設立で合意したと発表した。
合弁会社の社名は INEOS ABS で、Lanxess のABS事業のLustran Polymers を引き継ぐ。
Ineos が合弁会社に51%を出資し、その分の対価として35百万ユーロをLanxessに支払う。
ドイツ、スペイン、タイ、インド、米国の工場と1600人の従業員が新会社に移される。
本年9月末に手続きが完了すると予想されるが、それから2年後に、Ineos が合弁会社の残りの49%をその時点での事業価値をもとにした代価で購入し、Lanxessは事業から完全に撤退する。
Lustran Polymers の2006年の業績は、売上高が9億ユーロ、特別損益を除く EBITDA (税引前利益+支払利息・減価償却費)は16百万ユーロであった。
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Lanxessは、2004年7月にBayer Chemicalsの大半とBayer Polymersの一部が分離独立した会社で、2005年に上場した。
同社は昨年10月1日にエンプラ事業部のスチレン系樹脂部門をLustran Polymers 部門と改称し、ABSの特殊グレードと着色グレードを事業の中核として、地域ごとに製品開発から生産、マーケティングまで自主性を持たせる運営に変更していた。
同社ではこの時点でABS事業の処分を考えていた。
同社のエンプラ事業部にはポリアミドやPBTなどのエンプラ部門だけが残る。(当初はABSのほかにスパンデックスがあったが、旭化成に売却した。)
2006/9/6 Bayer と Lanxess
Lanxess はABS事業を処分する一方、合成ゴム事業に注力することとしている。
同社は6月27日、同社としては過去最高の約 4億ユーロを投じて、アジアにブチルゴムの工場を建設することを明らかにした。
シンガポール、マレーシア(Kuantan)、タイ(Map Ta Phut) を候補に交渉中で、立地が決まれば2010年スタートを予定している。
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Ineos については以下を参照。
2006/6/14 事業買収で急成長した化学会社
最近では、3月にNova Chemicals の北米のSM、PS事業を欧州のIneos/Nova の50/50JVのNOVA Innovene に移管することで合意。
2007/3/26 NOVA Chemicals、北米のSM、PS事業をINEOSとのJVに移管
5月にはNorsk Hydro からポリマー事業のKerling 社(旧称 Hydro Polymer)を670百万ユーロで買収する契約を締結している。
2007/5/25 INEOS、Norsk Hydro からポリマー事業を買収
Jim Ratcliffeが1998年に設立したIneos は売上高180億英ポンド、利益は630百万英ポンドとなり、売上高で英国15位、個人企業としては英国最大企業となった。世界18カ国、73箇所に拠点を持ち、従業員は16,500人となった。但し、Lyndhurst の本社には150人しかいない。
Jim Ratcliffeの個人資産は昨年の11億英ポンドから33億英ポンドに膨らんだと見られている。
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