8月6日(現地時間)のWall Street Journal は、Akzo Nobel がICI を80億ポンド(160億ドル)で買収することで仮合意に達したと報じた。
既報(2007/8/1 ICI、Akzo の再提案を拒否)の通り、ICI はAkzoによる78億ポンドでの2回目の買収提案を安すぎるとして拒否し、更に値上げをするかどうかの問い合わせをしていた。
AkzoはICIの買収が成功した場合、ICIの接着剤とエレクトロニック材料事業(ICIの価値の1/3に相当) を Henkel KGaA に売却する契約ができている。
現在、AkzoとHenkel はICI のdue-diligence 調査を実施中で、これに数日要するが、Wall Street Journal は結果が満足できるものであれば、英国公開買付パネルが決めた最終日の8月9日までには正式発表があるだろうとしている。
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その後の報道ではdue-diligenceに時間がかかるため、ICIがパネルに締切日の延長を申し出る見込み。
8月13日までには決まるだろうとしている。
同紙は、2社が共同で買収し、その後に分割するという今回の方式が今後流行るのではないかと見ている。
また、創業86年の老舗の売却は、外国企業による英国の大企業の買収の最新のものであり、これは英国が製造業からもっとサービス志向の経済に移行していることの結果であり、また英国の解放政策の結果でもあるとしている。
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Akzoもこの報道のあと、同社がICI に対して670ペンスでの再々提案をしたことを確認した。総額で約 80億ポンドに相当する。
また、同社はICIの接着剤とエレクトロニック材料事業の Henkel KGaA への売却額が27億ポンドであることを明らかにした。
ただし、due-diligence 調査の結果次第であるとしている。
Henkel もICIの接着剤とエレクトロニック材料事業(ICI が1993年にUnileverから買収したNational Starch )を27億ポンドで買収する契約を明らかにしている。
Henkel は3つの分野(Laundry & Home Care、Cosmetics / Toiletries、Adhesives Technologies )でグローバルに活動している。
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