中国のCNOOC子会社が生分解性プラスチック製造

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中国海洋石油CNOOCCChina National Offshore Oil Corporation)は子会社の中海石油化学China BlueChemical Ltd)が生分解性プラスチック製造のためポリプロピレンカーボネート(PPC)プラントの建設を開始したことを明らかにした。

「白い公害」と呼ばれる非分解のレジ袋を減らすとともに、プラスチック製造のための石油やガスの節約にもなるとし、省エネと温室効果ガス減少という政府の求めに応じるものとしている。

PPCは二酸化炭素とプロピレンオキサイドのコポリマー。
海南島東方市の化学産業都市で生分解性プラスチックを年間 3,000トン生産する。
中国科学院・長春応用化学研究所が独自に開発した特許技術を使用している。

2008年6月の生産開始を目指している。

中海石油化学は中国最大級の肥料会社で、海南島東方市に2系列のプラントを有している。
第一系列では尿素 520千トンを、第二系列では尿素800千トンと複合肥料 50千トンを生産する。
また、中海石油化学と香港のラミネート製造会社
Kingboard Chemical Holdings Limited との合弁会社60/40CNOOC Jiantaoでメタノール600千トンを製造している。
いずれも原料の天然ガスを親会社の
CNOOCから供給を受けている。

中海石油化学は20063月に内蒙古の Tianye Chemical 株式の90%を買収した。同社は尿素520千トンとメタノール200千トンのプラントを有しており、同社の尿素製造能力は1,840千トンに増大した。
Tianye Chemical
ではポリアセタールの製造も計画している。

ーーー

二酸化炭素からプラスチックなどの高分子をつくる技術は東京理科大学の井上祥平教授(東大名誉教授:当時、東大助教授)と東大の鯉沼秀臣客員教授(当時、東大大学院生)が約40年前に見つけた。
当時は環境問題や資源問題も今ほど世間の問題意識が高くなく、コストの問題(触媒効率が問題)等で実用化には至らなかった。

2006/5/23の朝日新聞夕刊には「CO2からプラスチック 40年前日本で発見、中国で工業化進む」という記事が載っている。

中国の研究者が触媒の効率を約10倍に改良し、内蒙古の企業が年間1,000トン規模の試験工場で生産していること、「生分解性」の特徴を生かしていることなどが記載されている。
同社の製品には大きく「生物降解」(生分解性)と表示されている。

この内蒙古の企業は蒙西高分子材料有限公司(Inner Mongolia Mengxi High-Tech Group)の全降解塑料分公司。
同社のホームページによると、
長春応用化学研究所からライセンスを受け、内蒙古のオルドス(Erdos:鄂尓多斯)に年産 3,000トンの工場を持ち、2002年12月に販売開始している。元の技術は1969年の S. Inoue の発明によると明記している。

BioCO2TM が商品名で、多種類のコポリマーが生産可能としている。
CO2-POコポリマーと、これにEOを加えたターポリマー、シクロヘキセンオキサイドを加えたターポリマーの3品目の詳細が記載されている。

  BioCO2TM 100 BioCO2TM 200 BioCO2TM 300
Appearance pale yellow or colorless
transparent pellets
pale yellow or colorless
transparent pellets
pale yellow or colorless
transparent particle
Density 1.24g/cm3 1.22-1.32g/cm3 1.22-1.52g/cm3
Package 50kg/ bag 50kg/ bag 50kg/ bag
Component carbon dioxide-propylene oxide
copolymer
carbon dioxide-propylene oxide-
ethylene oxide terpolymer
carbon dioxide-propylene oxide-
cyclohexene oxide terpolymer
Carbon dioxide unit content 4042wt% 4250wt% 31-42wt%
Number average molecular weight 60,000150,000 50,000150,000 30,000150,000
Polydispersity 515 4.013.0 3.013.0
Melt flow index(MFI)
150℃,2.16Kg, 0.1MPa
16-18g/10min 16-26g/10min 3.2-18g/10min
Glass transition temperature 3539 5.2-38 35-125
5weight loss temperature 230-270 180250 180-290
Processing temperature 150160    
Biodegradability biodegradable in 5-60 days
upon forced condition
biodegradable in 5-60 days
upon
forced condition
biodegradablein 5-60 days 
upon forced condition


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