ICIは7月30日、Akzo Nobel から1株650ペンスで買収したいとの再提案を受け、取締役会でICIの戦略的価値からみて安すぎるとしてこれを満場一致で拒否、Akzoに対してこれを伝えるとともに、値上げをするかどうかの問い合わせをしたと発表した。交渉は継続する。
この株価で総額78億ポンドになるが、周辺では81億ポンドでICIは売るのではないかとか、84億ポンドは必要だとの声が出ていた。
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報道によると、Akzo は6月4日に1株600ペンス、総額 72億英ポンド(約1兆7500億円)での買収提案をしたが、ICIは安すぎるとして断ったとされる。
2007/6/19 ICI、Akzo Nobel による買収提案を拒否
その後、事態が長引くのを恐れたICIは、この問題を英国公開買付パネル(The Panel on Takeovers and Mergers)に持ち込み、パネルは7月6日、Akzo Nobel に対して、8月9日午後5時までに態度を明らかにするよう命令している。
2007/7/23 Akzo-ICI 問題のその後
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Akzoも同日、同様の発表を行った。
同社は1株650ペンスの株価は、Akzoが医療用医薬品事業のOrganon Biosciences を144億ドルで Schering-Plough に売却(これによりICIの買収が可能となった)すると発表した日の前日、3月9日の終値 464.25ペンスと比較し、40%のプレミアムがついたもので、株主にとり有利なものと主張している。
Akzoは値上げ提案をした背景として、ICIの買収が成功した場合、ICIの接着剤とエレクトロニック材料事業を Henkel KGaA に売却する契約ができていることを明らかにした。Akzo はICIのcoatings 事業に魅力を感じており、これにより、AkzoとHenkel はともに、それぞれの戦略に合致した最もシナジーの高い事業に特化できるとしている。
同社は今後、更に値上げをするかどうかの検討を行うが、実際にICIに提案できるかどうかは不明であるとしている。
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