ベネズエラの Chavez 大統領は国営石油会社 Pequiven のCarabobo 州 Guacara の "Petro Casa"(直訳で「石油の家」)工場の開所式に出席し、その意義についてスピーチした。
年間3万トンの塩ビのキットをつくる工場で、これにより年間18千戸の住宅を建設する。基礎からユーティリティ設置まで含めて8日以内で組み立てる。家の中の温度は周辺より4℃は低く、快適であるとしている。
大統領は、同様の工場をベネズエラの他の地域にもいくつかつくり、少なくとも年間100千戸を建設したいと述べた。
強く、100年ももつ立派な家で、通常より建設費は50%は安いとし、これによりスラムを失くしたいとした。
また、一般住宅以外にも、ビルや学校などのインフラにも塩ビを使用したいとしている。
塩ビはOrinocoデルタのOil Belt などに豊富なメタンガスからつくるが、住宅建設に使用するセメントもPequiven が肥料製造の副産品から製造する。同社では"Petrocemento" (石油セメント)と呼んでおり、一般のセメントの15%程度の価格で販売している。
モデルハウスではなく、実際の住宅を大量にall PVCで建設するのは初めて。
独裁政権が政府の方針として政府の手で実施するもので、機能面で優れている上に、安価であるため、成功の可能性は高く、他の国にも波及する可能性がある。
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これとは関係ないが、Solvinの2003年9月の発表にタイの塩ビ製住宅のニュースがある。
柱と床のスチール、コンクリートを除き、2階建ての住宅が塩ビと塩ビコンパウンドで建設された。ドアや窓枠は硬質塩ビが、床から壁、天井から家具に至るまで、木材の代わりに木質塩ビコンパウンドが使用されている。
塩ビ住宅は、概観は周囲と同じ木材住宅風でありながら、塩ビの特徴の耐久性、シロアリや水に強い、軽量、建設が容易などの利点を持つ。好きな色が可能で、塗装が不要である。耐熱性がコンクリートの壁に比べ30%は高い等の利点をうたっている。
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日本でも塩ビ窓枠がかなり普及してきた。
25年ほど前に塩ビメーカーにより技術導入されてから製品開発が進められてきたが、途中からはサッシメーカーも参入して、北海道、東北などの寒冷地を中心に普及が進んでいる。特に北海道では、新築住宅のほぼ全てに塩ビ窓枠が使われている。
優れた断熱効果で関東以南でも採用が増えている。霞ヶ関の環境省(合同庁舎5号館)のオフィスにも、樹脂サッシの内窓が施工されている。
サイディングについては建築基準法が問題となる。
建築基準法では防火地区(建築物の密集地域)、準防火地区(都市と郊外の住宅との中間の地域)では外壁に耐火構造、準耐火、防火壁が要求され、サイディング材は使用できない。(準防火地区の1,2階建ては防火構造の認定を受けたものは使用可能)
ただし、それ以外の地域(全戸数の約70%)では、認可を受けたサイディング材は使用が可能であり、徐々に採用されている。
サイディングについては 樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/ 参照。
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