カザフスタンの石油開発中断

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カザフスタンの環境相は8月27日、日本企業を含む外資が主導するカシャガン(Kashagan)油田の開発工事について、環境面その他で違反があったため3カ月停止の処分にしたと発表した。
合わせて首相はエネルギー相を更迭している。

カザフスタン北カスピ海沖合鉱区では、1999年9月より掘削された試掘第1号井でカシャガン油田の発見に成功した。
カザフスタン領カスピ海における最初の発見で、有数の巨大油田(
確認埋蔵量70億-90億バレル)であることが確認されている。
カシャガン油田のほかに、カラムカス、南西カシャガン、アクトテ、カイランの構造で炭化水素の存在が確認されており、並行して評価作業が行われている。

国際石油開発ホームページから

同鉱区では下記の各社が権利を有しており、オペレーションはEni の100%子会社 Agip KCO (Agip Kazakhstan North Caspian Operating Company N.V) が行っている。

国際石油開発    8.33%
Eni     18.52%
ExxonMobil   18.52%
Shell   18.52%
TOTAL   18.52%
ConocoPhillips    9.26%
KazMunaiGas    8.33%

当初は2008年にも商業生産が始まる予定だったが、2010年後半に延期され、開発費も大幅に増加した。

カザフスタン政府はスタートアップの遅延に不満を持っており、また、契約見直しでの石油販売取り分の増加(現在の10%を40%に修正)を求めている。

今回の停止は環境問題と関税問題で運営会社Agip KCOに違反があったというのが理由。
 (環境問題) 子アザラシの死亡、魚の減少
 (関税問題) 
ヘリコプター2機の輸入に関する脱税
別途、カザフの
Emergency Ministryでは火災安全に関する規則違反で同社を訴えるとしている。

 

付記

カザフスタンのマシモフ首相が9月6日、「KazMunaiGasを主要共同開発者とするよう要求する」と表明した。
伊ENIなどの持ち分(18.52%) 以上に引き上げることを求めているとみられる。
首相は「要求を受け入れなければ他の手段に訴える」とも述べ、外資の免許剥奪などの可能性も示唆した。

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今回のカザフスタンのやり方は、ロシアによるサハリン2計画の修正を真似たもので、契約修正を狙ったものとみられている。

サハリン2計画はシェル 55%/三井物産 25%/三菱商事 20% の出資であったが、2006年8月にロシアの環境監視当局が環境汚染の懸念があると指摘しパイプライン建設工事を中断、9月にロシア天然資源省はサハリン2工事の承認を取り消した。

同年12月の合意により、ガスプロムがサハリン2に過半数(50%+1株)出資することが決まった。
シェルは27.5%、三井物産は12.5%、三菱商事は10%となった。

    2007/1/9 サハリン2計画 再スタートとその背景

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なお、国際石油開発は伊藤忠とともに、カスピ海のアゼルバイジャン共和国海域でACGAzeri-Chirag-Gunashli)油田の開発に参加している。

    2006/6/7 BTCパイプライン完成 

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* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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