カリフォルニア州政府は2006年9月、自動車からのCO2などの温暖化ガスで数十億ドルの損害が出ているとして、GM、フォード、トヨタ、ダイムラークライスラー、ホンダ、日産の自動車メーカー6社を訴えた。
自動車メーカーは二酸化炭素を汚染物質と誤って定義しているとして訴訟しており、本訴訟に対しても却下を主張した。
2006/9/28 カリフォルニア州、温暖化問題で自動車メーカーを訴訟
2007年9月17日、サンフランシスコの連邦地裁は、この訴えを退ける判断を示した。
判事は、有害な温室効果ガス排出により自動車メーカーがどの程度の責任を負うべきかは、司法ではなく、立法、政治判断に委ねられるべきだと指摘した。
訴訟は温室効果ガスによる地球温暖化の責任を自動車メーカーに問う最初のもので、6社の自動車がカリフォルニア州の人為的なCO2排出の30%以上を占めているとしている。
判決では、自動車からのCO2排出による被害の数量化のための基準をつくることが必要だが、それは裁判所の仕事ではなく、政治分野の仕事であるとしている。.
州側は、現状では連邦政府も議会も省庁もなんら行動しないため、カリフォルニア州としては救済されないこととなるとし、判決を検討し、控訴を考えるとしている。公害物質を川に流すような場合には裁判官はきちんと基準を決めているのに、今回決めないのはおかしいとしている。
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これに先立ち、自動車が出すCO2など温室効果ガスについて、州に排出規制権限があるかどうかが米バーモント州と自動車業界との間で争われていた訴訟で、バーモント連邦地裁は12日に州の規制権限を認める初の判決を出した。
同種の規制はバーモントのほか10州余りが採用しており、今回の結果が注目を集めていた。
米大気浄化法は、新車の排ガス中の「大気汚染物質」の規制を米環境保護局に義務づけるとともに、カリフォルニア州だけには独自規制を認め、他州は連邦規制かカリフォルニア規制のいずれかを選べる。
自動車業界は訴訟で「温室効果ガスは大気汚染物質ではない」と主張した。しかし、連邦最高裁は4月に別の訴訟の判決で、大気汚染物質であることは「法的に明白」としており、今回の判決もこの判断を踏襲した。
2007/4/5 米連邦最高裁、温室効果ガス規制で政府に促す判決
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