Basell のSpheripol 法 PP 能力、累計で20百万トンに

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Basell は108日、カタール石油がMesaieed 工業都市に建設する新しい年産70万トンのPPプラントに同社のSpheripol 法が採用されたと発表した。

建設するのは、カタール石油の子会社のQatar Intermediate Industries Holdings が70%、韓国の韓南石油化学(ロッテグループ)が30%出資するJVで、PP のほか、エチレン、プロピレン、ベンゼン、SM(600千トン)、PS(220千トン)を生産する。
エチレンからプロピレンへの変換設備も設置する。
本年7月に合弁契約を締結した。予算は26億ドルで、2011年に生産開始の予定。
基本設計と建設管理業務はFoster Wheeler が受託している。

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Basell はまた、本件の成約により、同社のSpheripol 法を使用するPP の累計能力が20百万トンの大台を突破したと発表した。

Basell BASFTargorShellMontell、両社の合弁Elenacを統合して設立されたが、PP技術に関しては、TargorNovolen 技術MontellSpheriol 技術があった。
EUの独禁当局は許可条件として、ポリプロピレン生産能力の一部放棄やPP技術の1つを放棄するなどを求めた。
そのため、MontellSpheriol技術を残し、TargorNovolen技術をABB Lummus と Equistar の80/20 JV のNovolen Technology Holdings に売却した。

Basell ではSpheripol 法はMontecatini - Montedison - Himont - Montell - Basell と続いてきた同社の50年の絶えざるPP の技術改良の歴史の結果で、バルク法とガスフェース法の改良により、原料消費と廃棄物を少なくする利点があり、35カ国で採用されているとしている。

1960s: 第一世代触媒(低生産性、高価、取扱い困難)
1970s:
第二世代触媒(高生産性、触媒残渣の処理不要、但しアタクチックはまだ多い).
1980s:
第三世代触媒(高生産性・高選択性、触媒残渣・アタクチックの処理不要、プロセス簡素化、高品質)

1982: Spheripol technology
 

METI の「世界の石油化学製品需給動向」によると2007年の全世界のPPの能力は47.8 百万トンとなっており、同法は約40%を占めることとなる。

なお、Basell は以下の技術を提供している。

・Spheripol -- PP technology for the production of homopolymer, random
and heterophasic copolymers.
・Spherizone   latest generation PP technology based on new multi-zone
circulating reactor technology
・Metocene PP   technology for the production of specialty PP products
using single-site catalyst systems
・Spherilene   advanced swing gas phase process for the production of
LLDPE, MDPE and HDPE
・Hostalen   leading low-pressure slurry process for the production
of multi-modal HDPE
・Lupotech G   fluidised bed gas phase process for the production of
HDPE and MDPE
・Lupotech T   leading high pressure tubular reactor process for the production of
LDPE and EVA copolymers

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* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

 

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