原油価格が急騰している。
NY市場WTI原油価格は10月26日、早朝の時間外で一時 92.22$/bblをつけ、過去最高を更新、終値も 91.86$/bbl で過去最高を更新した。
24日発表の週間石油在庫統計で、原油在庫が市場予想に反して減少したこと、25日に米国がイランに対する経済制裁を発表しイランが非難声明を出したこと、トルコのクルド人勢力への攻撃警告等を材料に上昇した。
これに先立ち、東京市場でもオープンスペックナフサが終値 797$/t で、ドバイ原油も終値 83.00$/bbl で、いずれも過去最高を記録した。
ナフサ価格は昨年7月14日に691ドルの最高値をつけた後、下落に転じ、本年1月17日には503ドルまで下がった。
ドバイ原油も昨年8月8日の72.30ドルから本年1月19日には48.85ドルまで下がった。
投資マネーが天然ガス価格の急落でヘッジファンドが破綻したことや米国景気の減速を材料に、リスクの高い原油先物から安全な米国債に逃避する動きが加速し始めたのが原因である。
2006/9/25 ナフサ価格 急落
これに対して現状価格はナフサが294ドル(58%)高、原油が34.15ドル(70%)高と異常なアップである。
OPECは11月1日からの実質増産を発表しており、生産量は本年初めのそれを上回ることとなる。
需給状況に関係なく大幅にアップしている現状は、投機資金によるものである。
債券投資や企業買収用融資に向かっていた資金が、サブプライムローンの破綻により、石油に流入していると言われている。(昨年秋とは逆の動きである。)
原油100$説、105$説などが強気を支えている。
しかし、これは完全なバブルであり、なにかがきっかけで暴落する可能性が強い。
バブルと言われながら上がり続けた米国の住宅のことが思い浮かぶ。
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