各社の発表がほぼ出揃った。
既報の医薬メーカーを除く各社の営業損益対比は以下の通り。(旭硝子、昭和電工は6月中間)
多くの企業が原料費のアップを価格転嫁して増益となっているなかで、一部企業は特定の理由(特定製品の売価低下など)で減益となった。
今後は一層の原油高のなかで、更なる価格転嫁は難しくなり、業績悪化が懸念される。
下記各社については既報を参照
信越化学 2007/10/30 信越化学 中間決算
住友化学、三菱ケミカル、三井化学、旭化成、東ソー 2006/11/13 主要会社 中間決算-1
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旭硝子
営業損益対比(億円)
06/6中 07/6中 増減 06/12 07/12
予想ガラス 203 341 138 465 610 電子・ディスプレイ 400 463 63 792 1,040 化学 46 85 38 78 130 他 14 14 0 33 20 全社 -2 1 3 -2 0 営業損益合計 661 903 242 1,366 1,800
ガラス事業は、欧州の旺盛な需要を背景に増収増益
電子・ディスプレイ事業は、CRT設備の構造改善効果とTFT用ガラス出荷増で増益
化学事業は、製品市況改善(特に塩ビ関連)でコストアップを吸収し増益
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帝人
営業損益対比(億円)
06/9中 07/9中 増減 07/3 08/3
予想合成繊維 96 117 21 173 280 流通・リテイル 22 23 1 54 60 化成品 186 127 -59 339 230 医薬医療 104 98 - 6 212 210 IT・新事業 9 6 -3 43 30 全社 -30 -40 -10 -71 -90 営業損益合計 388 330 -58 751 720
化成品で、PC樹脂は一般産業用途中心に販売は伸びたが、BPA価格上昇継続が業績を圧迫した。
また、米国のPETが需要低迷、競争激化で大幅減益となった。
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三菱レイヨン
営業損益対比(億円)
06/9中 07/9中 増減 化成品・樹脂 180 131 -49 アクリル繊維・AN 4 15 11 炭素繊維・複合材料 53 67 14 アセテート・機能膜 29 16 -13 全社 1 -1 -2 営業損益 合計 268 228 -39
同社では2006/3より、退職給付会計における数理計算上の差異の処理方法を、定額法償却での営業外費用処理から発生の翌年度に営業費用として一括償却する方法に変更した。
2006/3 9億円の損
2007/3 142億円の益
2007/9は影響が少ない。
対比のため、数理計算上の差異を除くと、以下の通りとなる。
06/9中 07/9中 増減 化成品・樹脂 135 136 1 アクリル繊維・AN -7 15 22 炭素繊維・複合材料 45 69 24 アセテート・機能膜 24 16 -8 営業損益 合計 197 236 39
なお、同社は今回から区分を以下の通り変更した。
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なお、中間配当は以下の通りで、信越化学が40円でダントツのトップ。
但し、医薬では武田薬品が中間84円、年間予想168円。
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* カネカ、日本触媒、三菱ケミカル、 三菱ガス化学 |
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* バックナンバー、総合目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
項目別の索引も作成しました。
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