ベネズエラ Chávez 大統領の原油価格論

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反米強硬派のベネズエラ Chávez 大統領はこのたび、OPECサミットを前に、原油価格論を述べた。

2000年以来 7年ぶりとなるOPEC首脳会議が11月17、18日の両日、サウジアラビアのリヤドで開かれる。サウジのアブドラ国王やベネズエラのチャベス大統領ら、OPEC加盟国の首長クラスが出席。国際原油市場の現状や見通しについて議論を行うほか、環境対応や安定供給に向けたOPECの役割などについて議論を行い、首脳の意見を取りまとめた宣言を公表する予定。
但し、増産するかどうかなどの具体的な議論は12月5日にアブダビで開かれるOPEC臨時総会で行なわれるとみられている。

まず、米国がイランを侵略すると原油価格は1バレル200ドルになると警告した。
更に、もし米国がベネズエラを攻撃するなら、米国への原油の輸出を打ち切るともしている。
(ベネズエラは米国への原油輸出量では世界で4番目で、生産量の約半分を米国に輸出している)

また、OPECサミットでベネズエラとして新しい原油価格決定方式を提案すると述べた。
大統領によると、一般に基準とみられているWTI (
West Texas Intermediate) は全世界の1日当たり産出量からみて、極々少ない量のものであり、基準とはなりえない。

更に、大統領はOPECは地政学的にもっと重要なプレーヤーになるべきだとし、貧困国に対して、読み書き能力、健康、教育、住宅などの社会開発計画の費用を出すべきだと提案した。石油カルテルはエネルギー分野を超えて政治的様相も示すべきだとする。
産油国が同意すれば、貧困国への援助資金として1,000億ドルの基金をつくることが可能であるとしている。

また、貧困国に対して富裕な国よりもはるかに安い価格で原油を販売することを提案した。
具体例として富裕な国に1バレル100
ドルに対し、貧困国には20ドルという案を示した。資本主義の原則ではあり得ないが、OPECにはそれが可能であるとしている。

しかしながら、新しい原油の価格帯の設定については反対であるとしている。
彼は
1999年に大統領になってすぐ、原油価格を22ドル~28ドルの間で維持するべきだとOPECを説得した。しかし、結果は下限に張り付き、上限に届いたことがなかったという経験を持つ。

大統領は原油価格は100ドルになるとの以前からの見方を繰り返しているが、OPEC56年間は価格をそのレベルに維持すべきだと考えている。そうすれば先進国は需要を抑えるようになるだろうと。

 

 

なお、NY市場のWTI は11月7日に 一時 98.62$/bbl を付け、100ドル間近といわれたが、その後反落、13日には安値 90.13$/bbl 90ドル割れ目前まで下がった。

   最近の価格推移:  

 

 

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