BHP Billiton がRio Tinto に買収提案

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2007年7月に英豪資源大手Rio Tinto がカナダのアルミ大手、Alcan を買収することで合意したと発表した。
この前には、BHP Billiton Alcoaを買収するとの噂があった。(同社は最早、この買収を考えていないとの報道もあった。)

2007/7/17 Rio Tinto、Alcanを買収 アルミ生産で世界最大に

先般、Alcan 買収手続きを進めているRio Tinto に対してBHP Billiton が買収の提案を行った。
Rio
Tinto の株式1株に対してBHP株を与えるという案で、1,400億ドル以上に相当する。

これに対し、Rio Tinto の役員会は、この条件が同社の現状、将来性を考えると著しく安すぎるとし、拒否した。
11月8日、
BHP Billiton Rio Tinto がそれぞれ、明らかにした。

BHP では拒絶を受け、Rio Tinto に対して引き続き交渉をしたいと伝えた。
Rio Tinto は今後、Alcan との統合を含めた現在の戦略を推し進めていきたいとしている。

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Rio Tinto は英国と豪州の鉱業・資源グループで、銅、鉄鉱石、金、亜鉛、ダイヤモンドなどを取り扱っている。
1995年に英国の
Rio Tinto-Zinc Corp (現 Rio Tinto Plc.)と豪州のConzinc Riotinto of Austalia (現 Rio Tinto Ltd.)の二元上場会社(DLC Dual Listed Companies)として設立された。

2つの会社は別個の会社として残り、それぞれロンドン、オーストラリア証券取引所に上場。
両社は同一の取締役会により単一の経済単位として経営され、両社の株主は同じ投票権と配当受領権をもつ。

BHP Billitonも世界最大の鉱業会社で、鉄、ダイアモンド、石炭、石油、ボーキサイトをはじめとして金属や鉱産品を取り扱っているが、これもDLCである。
2001年にオーストラリアの
Broken Hill Proprietary BHP)とイギリスの会社で南アフリカで大規模に操業するBilliton の二元上場会社となることで設立された。

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両社が仮に統合すれば、石炭、鉄鉱石、銅、アルミで強力な地位を占める、株式時価 3,500億ドルの基礎金属の巨人の誕生となる。
戦略的コモディティでのカルテルについての懸念も生じる。

鉄鉱石と石炭は今でも価格が上昇しているが、統合会社はそれぞれの市場で1/3以上のシェアを持つこととなる。
BHP ではこの懸念に対しては、鉄鉱石事業の処分も考えたいとしている。)

英国のTelegraph の報道では、中国政府の中国開発銀行China Development Bank)が最近、密かに Rio Tinto の株式を購入した。
1%以下の出資と見られるが、中国政府が世界的な鉱山会社に出資したのは注目される。
中国は世界の鉄鉱石の50%近くを消費しており、今回の統合が成立すれば被害を被る可能性がある。

両社の今後の動きが注目される。

 

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* バックナンバー、総合目次は 
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
  
項目別の索引も作成しました。

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