ダウの会長兼CEOのAndrew N. Liveris は12月20日上海で会見し、同社が今後10年間に中国に50億ドルを投資すると語った。
現在、同社は中国の国有石炭最大手・神華集団との間で、陜西省楡林市で石炭からオレフィンを生産する大計画のFSを共同で実施しているが、この分は上記の50億ドルには含まれない。
ダウと神華集団は2004年10月にワールドスケールのCoal-to-Chemicals コンプレックス建設のFS実施の契約を締結したが、2007年5月に詳細FS 実施の Cooperation agreement を締結した。検討に2年かかるとみている。
石炭からメタノールを生産、更にそれからエチレンとプロピレンを生産する。電解設備も建設し、苛性ソーダ、VCMや有機塩素類を生産する。計画にはグリコール、アミン、溶剤、界面活性剤、アクリル酸と同誘導品、プロピレン誘導品などが含まれている。
これも50億ドル程度といわれており、これが実施されると、ダウは中国に今後、100億ドル程度を投資することとなる。
ダウはこれまでに中国に5億ドルを投資済みで、これに加え、上海のダウセンター、江蘇省張家港市の世界最大級の10万トンの液体エポキシ樹脂工場、これの原料用の上海のグリセリンからのエピクロルヒドリン工場などに更に4億ドルの投資を行なっている。.
2006/8/23 中国でのダウの活動
Liveris 会長は、中国はダウのグローバル戦略の中心であり、この役割は今後も増大すると述べ、成長する中国の石油化学分野でのダウの存在感を更に強めるとした。
中国政府はシノペックとクウェート石油との50億ドルの石油精製・石油精製計画の詳細FS実施を承認したばかり。
広東省南沙に建設するもので、製油所能力は年12百万トン、エチレンは100万トンとされている。
当初、シェルやダウが参加すると見られたが、クウェート石油がシェルの参加を拒否した。シノペックは広州の広州石油化学で計画していたエチレンの増設(+60万トン)計画を中止し、南沙計画完成後には広州の既存の20万トンエチレンを停止する。
Liveris 会長は中国の大きな石油精製・石油化学計画に参加することに関心があると述べた。
ダウが先日発表したグローバル石油化学JVの相手のPICは、クウェート石油の100%子会社。
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ダウは以前に中国側(シノペック、天津石化、天津市)との50/50JVで、天津での石油化学事業を計画した。
計画では渤海湾に面した化学工業区(塘沽)に2008年稼動予定でエチレン 80~90万トンのほか、PE、PVC、PO/SM、その他を生産する予定であったが、ダウがその後消極的となり、経済性が悪いので 2010年以降の稼動になるとしたが、最終的に撤退している。
2006年6月、シノペック天津分公司(支社)の年産100万トン規模のエチレンコンプレックスが天津浜海新区の大港石油化学基地で着工した。
2006/7/3 SINOPEC天津分公司の100万トンエチレン計画着工
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