山東省の久泰能源(Jiutai Energy )は11月24日、河北省唐山市の曹妃甸(Caofeidian)産業パークでの大規模石炭化学計画に関して地方政府との間で協定を締結した。
67億ドルの巨費を投資して、年産1,000万トンのメタノールと、それを原料に300万トンのDME、100万トンのオレフィンを製造する。
3段階に分け、2008年8月に建設を開始し、2015年完成を目指す。
300万トンのDME 生産にはメタノール 420万トンが、100万トンのオレフィン生産にはメタノール300万トンが必要。(合計720万トン)
残りのメタノールをどうするかは明らかにされていない。
また、オレフィン計画の詳細も不明。
巨額の資金をどうするのかも不明だが、本計画は山東省政府と河北省政府から強い支持を受けている。
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久泰は2002年に山東省臨沂市に設立された企業で、石炭ガス化によりメタノールとDMEを生産する。(石炭ガス化→メタノール→DME)
100%子会社のChina Energy をシンガポールで上場している。
臨沂市の臨沂ハイテク産業開発地区でメタノール 8万トン、DME 3.5万トンでスタートし、現在の能力はメタノール25万トン、DME 15万トンとなっている。
広東省広州市の広州南沙経済技術開発区では20万トンのDMEをスタートしており、第二期として同地に60万トンのDMEを建設中。
内蒙古自治区オルドス市ではRockefeller & Co.とのJVで150万トンのメタノールと100万トンのDMEを建設中。ここでは石炭ガス化にシェブロン・テキサコ法を採用した。
更に、江蘇省張家港市ではシンガポール籍の100%子会社のChina EnergyとのJVで、100万トン計画の第一期として30万トンのDMEプラントを建設中で、2008年1月に生産を開始する。
(外国資本とのJVは税務上の恩典が受けられるのでChina EnergyとのJVとした。今後は税率が統一され、恩典はなくなる。)
メタノール | DME | ||
山東省臨沂市 | 25万トン | 15万トン | 本拠地 |
広東省広州市 | 20万トン (60万トン) |
第一期 第二期 (建設中) | |
内蒙古自治区オルドス市 | (150万トン) | (100万トン) | (建設中) 久泰能源(内蒙古) 久泰化工 69%/米国Rockefeller & Co. 31% |
江蘇省張家港市 | (30万トン) | (建設中)100万トン計画の第一期 久泰能源 (張家港) 100%子会社のChina Energyが45%出資 | |
河北省唐山市 | (1,000万トン) | (300万トン) | (今回計画)他に、オレフィン100万トン |
内蒙古自治区のオルドス市ではBoyuan United Chemical (博源聯合化工)が天然ガスを原料とする100万トンのメタノール計画に着手している。
石炭と天然ガスが豊富なオルドス市では、これや久泰の計画を含めて多くのメタノール計画が進行中。
(今後は天然ガスベースのメタノールは禁止される)2007/10/2 内蒙古で100万トンのメタノール工場竣工
国家発展改革委員会(NDRC)は多数のプロジェクトの乱立で過剰能力となることなどを懸念し、2006年7月に通達を出し、年間300万トン未満の石炭液化計画、年間100万トン未満の石炭からのメタノール又はDMT生産計画、年間60万トン未満の石炭からのオレフィン生産計画を承認しないとしている。
2006/7/21 「中国政府、石炭化学を規制」
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中国ではDMEはLPGやディーゼルの代替としてブームになっている。
北部の都市の一部ではLPGにDMEを20%混ぜて都市ガスとして使用している。中国政府は都市ガス用のDMEの基準を決め、2008年1月から施行される。
また、上海では上海交通大学、上海汽車(Shanghai Automobile )、上海華誼集団の研究チームがDMEの都市バス燃料の研究を行なっている。
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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