ダウはグローバルに効率改善とコストダウンを進めているが、12月4日、工場閉鎖と人員削減策を発表した。およそ1,000人の人員削減を行なう。
2007年第4四半期に退職費用と資産消却で 5~6億ドルの特別損失を計上する。実施後には年間180百万ドルの合理化を期待している。
Andrew N. Liveris 会長兼CEOは、今回の処置は、応分の価値を生まない事業を取り止め、より効率的に仕事に取り組むという同社のコミットメントを実現するもので、資金と資源を価値を生む分野に再配分するものだとしている。
具体的な計画は以下の通り。
1)Dow AgroSciences のフランスLauterbourg の農薬工場の閉鎖(殺菌剤 Dithane 等を製造)
(業界の供給過剰、コスト高、特許切れ品の圧力)
2)北米、アジア太平洋、ラテンアメリカでの自動車用シーラー事業からの撤退(9~18ヶ月以内)
欧州の同事業の戦略的オプションの検討
(自動車分野で、もっと高価値の差別的技術に注力)
3)カナダの石化JV、 Pétromont and Company, Limited Partnershipの消却
ダウと Éthylec Inc (Société générale de financement du Québec の子会社)との50/50JV。
1980年設立、オレフィンとHDPEを製造。
(長期的にみて採算悪化の見通し)
4)ブラジルCamaçari のSMプラントの休止(2008/1/1)
(競争激化、採算見通し悪化)
5)ブラジル Aratu のヒドロキシエチルセルロース工場の閉鎖(2008年第1四半期)
(小規模、高コスト:設備・原料、古い技術)
6)100%子会社Union Carbide のSt. Charles, Louisiana のPP工場の閉鎖
(長期的な操業維持に多額の投資が必要)
7)Union Carbide のSouth Charleston, West Virginia のR&Dを含むサポート機能を大幅に縮減
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これとは別に、ダウのEngineering Plastics 部門は同日、米大陸の自動車向け以外のABS とSAN 事業から撤退すると発表した。
Allyn's Point (Gales Ferry, Conn.)、Hanging Rock (Ironton, Ohio) のプラントはPS用に転換し、Dow とChevron Phillips Chemical のJV(社名:Americas Styrenics)に移管する。
なお、上記の4)記載のブラジルCamaçari のSMは当初はJVに移管予定であった。
2007/4/11 Dow、Chevron PhillipsとSM/PSのJV設立
Midland (Mich) のプラントは自動車向け専用とし、今後は Dow Automotive 部門が販売を担当する。
欧州のABS とSAN 事業は変更なし。
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