石化事業損益

| コメント(0)

経産省化学課は12月17日、エチレンセンター11社の今年度上期の決算は、前年同期比大幅な増収益になったと集計結果を発表した。
 

エチレンセンター11社:
   出光興産(石油化学部門)、大阪石油化学、山陽石油化学、昭和電工、住友化学、
   東ソー、東燃化学、新日本石油(石油化学部門)、丸善石油化学、三井化学、三菱化学

主要会社の中間決算での営業損益対比は
   2007/11/19  主要会社 中間決算-3 

ーーー

日本の石化は1980年代初めに行き詰まり、産構法での設備カルテル、共販で生き残りを図ったが、1985年に原油価格が暴落し、石化製品の需要が急増、石化の利益は急増した。

そのため、休止設備の復旧が行なわれ、更に設備の新設競争が起こった。(ポスト産構法前期)
しかしバブル崩壊で需要が減少に転じ、石化の業績は再び悪化した。(ポスト産構法後期)

対策として、三菱油化と三菱化成、三井石油化学と三井東圧が統合、ポリオレフィンや塩ビで事業統合が相次いだ。(事業統合時代)

しかし、単なる統合だけのため、販売会社は減ったが、工場はそのままで、需給状況は改善せず、損益は低迷した。

「2004年問題」を控え、どうしようもなくなって、「選択と集中」時代に入った。

しかし、直後に中国バブルが始まり、採算は急激に向上し、今に至っている。

ーーー

なお、PVCについても経産省化学課で集計しているが、2001年度からは結果を公開していない。

PVCについては特に価格競争が激しく、ポスト産構法前期こそ、黒字となったが、その後は再び赤字となり、2000年になり多くの企業が撤退した。その後は中国バブルで業績が好転、決算を発表している大洋塩ビ、新第一塩ビ、ヴイテックも最近は黒字となっている。

今後、中国バブルが崩壊した後に、日本の石化の損益がどうなるのかは
昨日の 2007/12/25 2007年回顧と展望 「ガラパゴス鎖国」論 を参照

 

産構法以降の石化の歴史については 2006/3/8 日本の石油化学産業の構造改善-1 を参照 

ーーーー

* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
  

コメントする

月別 アーカイブ