中国、第2回「加工貿易禁止商品目録」 589件を発表

| コメント(0)

中国商務部と関税総署は2007年12月24日、共同で第2回目の「加工貿易禁止商品目録」、合計589件(関税コードベース)の商品を発表した。この規定は2008年1月21日から実施される。
  目録(中国語) 
http://www.mofcom.gov.cn/accessory/200712/1198545071384.xls

商務部では「今回の加工貿易禁止商品目録は、中国の輸出商品の構造を適正化するため、付加価値の低い商品や、加工技術レベルの低い商品の輸出を抑制し、加工貿易をレベルアップさせ、貿易拡大方式への転換を目的としている」とした。

主に動物製品をはじめ、植物製品、動植物油脂、食品、飲料、原鉱製品、化学製品、プラスチックおよびプラスチック製品、鋼鉄および鋼鉄製品、アルミニウム製品にまで及んでいる。
また、皮革製品や動物の毛およびそれを使った織物、靴・ブーツなど、いくつかの絶滅に瀕している動植物を使った製品も禁止目録にリストアップされている。

なお、2007年4月に発表した第1回目の「加工貿易禁止商品目録」では、合計1
,138 の商品が加工貿易禁止対象として挙げられている。
(2005年と2006年に公布・施行された加工貿易禁止目録を整理統合したもので、
以前の目録は廃止される。)

  目録(中国語) http://www.mofcom.gov.cn/accessory/200704/1175767532591.xls

ーーー

加工貿易とは、中国国内に登記された製造業による、海外顧客・関連会社などから請け負った製品製造事業(委託加工生産)に伴う、原材料・部品・消耗品・設備などの輸入と製品の輸出業務のことを指す。

進料加工と来料加工がある。

進料加工は、対外貿易権を有する中国内登記企業が、原材料や部品等を有償輸入し、代金を外貨で対外支払いする。
加工後の製品、半製品を国外に輸出し、輸出代金を受領する。
外資系企業が行う加工貿易には、この進料加工がほとんど。

来料加工は、原材料や部品等を無償輸入し、加工生産後の製品を、すべて加工契約相手先へ輸出するという加工貿易形式のことで、部品・原材料の無償供給者と製品の輸出相手先は、海外に所在する同一企業であるため、対口貿易と呼ばれる。

加工貿易契約締結後、加工企業は所轄税関へ加工契約内容を登録し、登記手冊を取得する。
この登記手冊に登録・記載された資材・部品、及び製品リストの範囲内(品目・数量)で、
免税にて輸出入することが出来る。

ーーー

商務部が述べているように、中国政府は付加価値の低い商品や、加工技術レベルの低い商品の輸出を抑制し、加工貿易をレベルアップさせ、貿易拡大方式への転換を目的としている。

中国政府はまた、付加価値が高い重化学工業へと産業構造を転換するため、外資系企業に対する税制優遇を削減し、環境規制を強化するなどしている。

この結果、中国の低賃金を活用し、繊維など軽工業に従事する海外企業は苦しくなっている。

 

朝鮮日報によると、中国に進出した韓国企業が経営悪化で賃金や税金を支払わずに無断撤退し、現地でトラブルとなるケースが続出しているという。

2007年11月には上海市崇明県の和仁紡織で韓国人社員が現地労働者に監禁される事態となったほか、山東省青島市では従業員の給与を支払わないままに夜逃げした韓国系中小企業があったという。

このため、韓国の産業資源部は、外交通商部、労働部、法務部、大韓商工会議所と共同で対策チームを結成し、政府レベルで実態調査を進めることとなった。対策チームは1月21日から中国の山東省青島市、広東省広州市など韓国企業の進出が集中する地域を対象に現地調査を実施する。

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
  

コメントする

月別 アーカイブ