EUは1月16日、Pfizer、GlaxoSmithKline、Sanofi Aventis などの医薬メーカーを立ち入り調査した。
EU Competition Commissioner のNeelie Kroes は、全医薬業界を調査しており、なぜ新薬が出ないのか、ジェネリック医薬品の発売が遅いのかを調べるとしている。調査には1年以上かかるとみられている。
立ち入り調査は極秘資料が廃棄されるのを防ぐため。
世界の三大医薬メーカーのPfizer (米)、GlaxoSmithKline (英)、Sanofi-Aventis (仏)のほか、AstraZeneca、Merck Sharp & Dohme、Johnson & Johnson、Wyeth、Sandoz (Novartis の部門)、Teva (ジェネリック医薬品メーカー)は調査を受けていることを明らかにしている。
EUは米国の当局とも連携をとっているとしている。
医薬メーカーが特許権を濫用したり、訴権を濫用したりして新しい企業が市場に参入するのを妨害しているのではないかを調べる。
AstraZeneca が潰瘍薬のLosec のジェネリック品出現を遅らせるため特許当局に誤った情報を提出したとして2005年に 60百万ユーロの罰金を科せられたのが一つのきっかけとなっている。
1995年から1999年までに40 の新薬が出たが、2000年から2004年の間には28 しか新薬が出ていないが、これは競争力が働いていないことを示しているのではないかと見ている。
EUは競争を制限するような合意があるのか、支配的地位の一方的な濫用がこれに結びついているのかどうかを調べたいとしている。
また、特許紛争の解決のような医薬メーカー間の取引も調べ、EUの競争ルールに違反していないかどうかチェックする。
欧州は医薬品に毎年2000億ユーロ(一人当たり400ユーロ)を使用している。
EUではテレコミュニケーション、エネルギー、ファイナンシャルサービスなどの分野で同様の調査を行なっている。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
コメントする