INEOS は1月11日、BPから酢ビモノマーとエチル酢酸事業を買収することで合意したと発表した。
取引には英国のHull 近郊の Saltend 工場にある25万トンの酢ビモノマー工場(2002年稼動)と25万トンのエチル酢酸工場(2001年稼動)と、Teesside からSaltend までのエチレンパイプラインを含んでいる。
買収完了後、酢ビモノマーはINEOS Enterprises に属し、エチル酢酸はINEOS Oxide に属することとなる。
INEOS Enterprises は旧称 INEOS Chlor Enterprises で、電解などのほか、エステルも扱っている。
INEOS Oxide はEO、EGが主力だが、2001年にBPから酢酸エステル事業(オランダの工場を含む)を買収している。INEOS は2005年末に、BPが同年4月に石油化学の大半を分離して設立した Innovene を買収している。
2006/6/14 事業買収で急成長した化学会社
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BPは2007年3月に、これら事業の売却を決めたことを発表している。
これにより、酢酸と無水酢酸に集中するとしている。
BP は当初、石油化学については7つのコア事業を決めていた。
エチレン、HDPE、PP、アクリロニトリル、PTA、パラキシレン、酢酸であった。
2004年3月に同社は、アジア市場で成長が著しく、BPが技術面で優位に立つ “advantaged products” (PTA、パラキシレン、酢酸)に集中するとの戦略を発表、同年4月にオレフィンと誘導品の売却の意向を発表した。
2005年4月1日に石油化学の大半をInnoveneとして分離、2005年末にIneosに売却した。
なお、石油化学のうち、上海SECCO石油化工(Sinopec とのJV)については、Sinopec との間で2つの酢酸JV(重慶のYarco Acetyls、南京のBP YPC Acetyls Company (Nanjing) Ltd.) をもつ関係で、BPに残している。
2006/4/6 中国のエチレン合弁会社ー1
BPの現在の石化事業の体系は以下の通り。
BPの Saltend 工場には、今回売却する酢ビモノマー 25万トン、エチル酢酸 25万トンのほかに、酢酸 60万トンと無水酢酸 15万トンのプラントがある。
BPとそのJVの世界全体の能力は、酢酸 290万トン、無水酢酸 15万トン、酢ビモノマー 40万トン、エチル酢酸 30万トンとなっている。
PTAではBPは30年以上にわたり世界のリーダーで、2006年4月現在で、アジア、米大陸、欧州に21の工場を持ち、合計能力は900万トンを超え、JVを含めた世界シェアは31%となっている。
中国では珠海に富華集団とのJVのBP珠海ケミカル(BP 85%)が第1期 35万トン(その後増強して現在 50万トン)の工場を持つが、現在、第2期 90万トンを建設中で、間もなく完成すれば合計能力は140万トンになる。
PTAの状況について
2006/7/26 BPが韓国のPTA事業から撤退
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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