2007年合計の中国の輸入、輸出統計が発表になった。
1)ポリオレフィン
LDPEは2005年を例外として、2001年からほぼ同水準となっている。
但し内訳を見ると、LDPEは順次減少、LLDPEは順次増加している。
HDPEは2007年に急減した。
PPは昨年、一昨年とほぼ同水準。
いずれも、日本からの輸入は低水準に止まっている。
2)スチレン系
原料SMの輸入は増加した。
日本からが110万トン、韓国からが112万トンと競っている。
台湾からの輸入が32万トンと急増した。
PSは2006年と同水準。
日本は輸出品の採算悪化により、2003年春から輸出を減らしており、低水準に止まっている。
ABSの輸入は増加している。
日本は主に中国に進出している需要家向けが中心で低水準。
3)塩ビ系
VCMの輸入は減少した。
PVC工場は今も大規模なものが新設されているが、最近の中国の新設はほとんどがカーバイド法で、輸入VCMを必要しない。
PVCの輸入は2001年をピークに毎年減少、2007年はほぼ半減となった。
その中で日本からの輸入は安定している。
日本は2003年に、韓国、米国、ロシア、台湾製のPVCとともにダンピング課税適用を受けており、免税の加工貿易用が主である。
最近では他国は中国よりもインド、中東その他に輸出先を変えており、全体の輸入量が減る中で日本品輸入は維持されている。
但し、中国政府は高付加価値輸出の促進を狙い、付加価値の低い商品の輸出抑制策を取っており、いつまでも続く保証はない。
輸入の減少とともに、中国からのPVCの輸出が増加している。
中国からの輸出は2005年末から2006年央まで順次増加したが、インドとトルコが中国等のPVCのダンピング調査を開始したため、減少した。
2007年に入り、輸出が復活し、3月、4月にはほぼ輸入量に並び、輸出が輸入を追い越すのも間近かと思われた。
しかし、中国政府が輸出抑制のため、2007年7月から輸出増値税還付を引き下げた(11%→5%)ため、再度減少に転じた。
2007/6/28 中国、輸出抑制のため輸出増価税還付率を引き下げ
2007年12月にインド向け輸出が復活、2007年の年間輸出数量は70万トンを超え、輸入数量(100万トン)に近づいた。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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